設計を書くための文書力がチートできない理由


エンジニアなら、検討課題のたたき台とか、その結果を基にした設計書とか書く必要があるですけど、物書きをすることの好きなエンジニアはどのくらいいるのかなって思った。特に、検討課題のようなものは、材料を集めて、話の結論を持っていきたい方向があればロジックを作って合意形成に誘導しないといけないわけで、そういった文書を作ってもらおうとしたら、そこそこのベテランのエンジニアでもなかなか書けない人が多くて。


所謂、上流設計の文書を改訂する都合があって、周りを見てもメンバは手一杯だし、それまでの文書のアウトプットをみていてもどうしようもなくて自分で修正することにしたんだけれど、それをやっていて

“あぁ、文書書くの好きだわ”


なんて、しみじみ思ったことに気が付いて。


文書を書くには、その文書を書くために必要な前提知識と語彙と文書として成立させるための思考力が必要なのではないかと思うんです。


前提知識はインプットとなる文書なり、技術知識なり、業務知識なりを集められれば書きたい文書の素材は揃うんですね。ただ、この素材を揃えるにしても、作成しようとする文書の種類によって何が必要だとか、文書を作る目的によって都合の良い素材を集めないとその文書で持っていきたい方向にはたどり着けないということもあるのでそのあたりの文書を建てつけることをイメージしなければならないです。


書かねばならないこと、話を収めたい方向を念頭に、文書の構成を考えて、素材をレイアウトして、語彙で着地させるんです。


文書を書くことは、書くための思考する力が必要であることは、書くための段取りを先に示したように当然のことです。文書を書くことは、思考をすることで、その思考が頭の中にあるうちは、それは思案しているだけであって、考えを形に現さない限り単なる思いだけでしないのです。やっぱり、図や表、文字にして現さないと。


つまり、考えているだけではだめなんです。形にしないと、思考したことの抜け漏れがMECEで視覚化されないから。


話の目的を設定する、方向付けを考える、素材を集める、視覚化する、MECEで考える、語彙で味付けする。


これができて初めて文章力と言えるのではないかなって。でも、はじめから全部なんてできないです。一つひとつのアクティビティのチートをする方法はハックとしてあるかもしれないけれど、まとめた文書力としては、簡単にチートすることは無理でしょう。


本当に文書力をつけたかったら、地道に素振りをするしかないのですね。