ツールやテクニックやメソドロジーが業務に適用できるかどうかはドメインのエンジニア次第なんだよ
少し前に先進技術(と言っても世間で流行り始めたくらいのレベル)をアセスメントして標準に適用するかどうか取り組んでいるエンジニアと話していたら、話の矛先がアジャイルのスクラムとかTiDDとかの話になったときポツリと、
「ナレッジとかノウハウとか集めて汎化するじゃないですか。」
「そうだね。」
「結構大変なんですよ。」
「せやな。」
「せやな、じゃなくて。」
「あぁ、めんごめんご。」
「心が籠っていないですね。」
「ごめんー(棒。」
「もういいですよ。いつものことなんで。」
「いつも済まない。」
「でね、標準を作るんです。」
「そこまで聞いた。」
「いや、話の腰を折ったのは?」
「オレオレ。」
「詐欺みたいじゃないですか。いや、話している相手が詐欺師だった。」
「何を言っているんだい?プロマネとかマネージャが詐欺師のわけないじゃないか。」
「それ、もう詐欺ですから。」
「でね、こちらも頑張って標準化するんですよ。でね、説明会を開くじゃないですか。でね、絶対こう言う人が出てくるんですよ。『ウチでは使えない。』って。」
「ふうん。」
「関心がないんですか?」
「いや、そんなことないよ。」
「そうですか?じゃいいや。でね、必ず言う人が居るんです。『ウチでは使えない。』って。」
「で?」
「だから、生産性上げよう、効率化しようと上から落ちてくると、『標準化せよ。』って上から落ちてくるんですけどね。でも、使えないと言う人が居るのがわかっているので滅入るんですよ。」
「そいつに『死ねばいいのに。』って言えばいいじゃない。」
「言えないですよ。」
「金髪のヴィッグ被って、蒼のカラコン入れて言えば大丈夫だから。」
「全然大丈夫じゃないですよ!!」
「そうかなぁ。」
実際、言いますよ、死ねばいいのにって。対面で言わないですし、言う相手はいませんけど。そうそう、慣用句のようなものですからね、ソレ。
その人はどうでもいいんですが、やりもしないのに合わないとか出来ないとかいうこと自体が嫌いですね。嫌いと言うか、死ねばいいのにって思います。試行錯誤もしないでやらなくて文句を言ってやらないとするなら、そもそもそれをしないといけないほど切羽詰まっていないんですよ。もしかしたら、危機感がないんですよ。だからやらない言い訳をするわけです。死ねばいいのに。
「でね、うちの会社で標準化してもムダなんですよ。」
「でもさ、アレない?とかコレない?とか聞いてくることもよくあるじゃん?」
「そうですね。」
「じゃ、要るジャン?」
「でも、作ってもウチに合わないって言いますよ。」
「それってさ、その『ウチに合いませんとかウチでは使えません。』って言っている奴自分でバカですって言っているんだろう?」
「え?」
「自分で自分のこと、ツールが使えないバカです!と言っているんだろう?」
「そんなこと言っていないです!」
「いや、あなたじゃなくでさ。その人が。」
「ノーコメントです。」
「言っちゃいなよ、ユー!」
「ユーじゃないですよ。言えませんよ、社会人なんだから。」
「オレは言えるけど。」
「ボクはアナタのように偉くないですから。」
「ワタシエラクナイデスヨ。ゴカイデスヨ。」
「なんでニャル子に出てくるイースみたいなしゃべり方なんですか。」
こういった冗談なのか本気なのかわからないまま話をするのはいつものことなので今日も定常運転ですね、ということです。しかし、ほんと自分で汗もかかないで、要望も言わないで、出てきたモノに文句を言うモンスターがいるものです。
本来は、ツールだって自分が必要なら自分で見つけて自分で検証すればいいんです。というか、自分で検証しないと使えるかどうかわからないんです。だって、誰が判断基準も載っているのかを考えたらわかることです。それがわからないなら、何も言うな、と言いたい。言っているけど。
「でさ、そんなバカは放置すればいいじゃん。で、自分で頭使う人だけ相手にする、と。」
「そうないかないんですよ、立場上。」
「そうかなぁ。だってさ、自分のためでしょ?自分が楽になりたいからツールやテクニックを持ってきてカスタマイズして使うものじゃん。そうした楽するためにコストを払わないなんてどんだけ社内エンジニアモンスターなんだよ、って話じゃん。そんな奴は組織上の障害なんだよ。切り捨てて構わないんだよ。」
「……。」
「あのね。そうした標準化したもので適用できるものはエンジニアリングなんだよ。言い換えれば科学的な手法なんだよ。それを利用するサイドは担当する事業のドメインがあるものだよ。それが事業部制になっている意味なんだから。そのドメインを知っているのは誰なのか、ってことだよ。その合わない使えないって言っている奴は自分のドメインがわかりません、って言っているだよ。だから、そんな奴は相手にしなくていいんだよ。」
「あの、さっきと今とだと、行間あり過ぎで分かりませんよ。はじめから端折らないで話してくださいよ。」
「やだ。」
「どうしてですか。」
「面倒だから。」
「ホントは?」
「考えながら話しているから無理。」
「(やっぱり……。)」
標準化されたものとドメインの関係を全く考えないエンジニアが多くて多くて。特に、そんな人がマネージャになっていたら最悪ですよ。悲惨なのは、その部下ですね。エンジニアリングとして効率化の観点や生産のしくみを変えるという生産性の観点を考える習慣を持っていない上司の下で仕事をしなきゃならないんですから。
なにも、メソドロジーが全能と言うわけでもないんです。解決しないといけない課題があって、それをツールやテクニックで解決できるかもしれないなら、そのドメインの特性を知っている当事者が当事者として必要なコストを払って使えるか使えないかを自分の目で確認しないと駄目だろ?ってことです。
「つまりさ、ツール、テクニック、メソドロジー、方法論といろいろあるけれどさ、自分の仕事に合うようにカストしろよ、ってことだよ。」
「ううん、えっと、汎化しちゃっているメソドロジーと担当業務の較差がドメインってことですか。」
「まぁ、そういってもいいんじゃない?あっているかどうかは知らないけど。」
「また、無責任な。」
「いつものことジャン。」
「いつものことなので驚いたりしませんけどね。」