仕事で八方美人になると辛い思いするよ

誤解を厭わず言うならば、

「ミッションコンプリートするためのシナリオを書け。取れる手段は全部使え。コンプラとインテグリティは侵さない範囲で。もちろん、自分の感情は金庫にしまっておけ。そして覚悟せよ」

仕事で八方美人になってはいけない、と言う話でもありますし、安請け合いすると自分で嫌な思いをすることもあるよ、シナリオを考えてね、♡。

 

 ある日の会話

「例の案件、関連部署へ情報提供を依頼するんですが、誰に声がけすればいいですか」
「ん、いつそんなスケジュールになったの」
「案件担当者がそれで進めるって」
「その案件はうちじゃない他社の担当者マターだから乗るしかないんだっけ」
「そうです、関わりたいくないし」
「(ふーうん)そうだねぇ、担当営業でいいんじゃないの。」
「SEの当てがありませんでしたか」
「ああ、あるよ。そうだね、うーん。(さて段取りどうするか…時間があればこっちでやるけれど…このスケジュールだと無理かな。経験させるか)その案内はさ、その担当者が出さないの」
「うちはわたしがいるので代わって案内してほしいって頼まれて」
「(それも変な話だけど楽したいんだろうな)そうだね、宛先はさ、担当営業でさ、CCに関連部署のSEを入れておけば」
「わたし、あの部署の方達はちょっと…。代わりに案内出していただけません…か…」
「何かあったんだけ」
「いえ、そう言うわけでは…」
「(めっちゃ何かあっただろう、それ)ふうん、でもさ、あなたの仕事なんでしょ」
「そうなんですが…」
「やってあげたいのは山々だけどさ、手が空いていないし、第一、ワタシが出すの役割分担的におかしいと思わない」
「それなそうなんですが…」
「何か気後れしている理由があるならそれを教えてもらわないと対策しようがないよ。まあ、一番簡単なのは担当者にやってもらうことだね」
「…でも…やると言ってしまったので…」
「(後先考えずに安請け合いするからだよ。その仕事を受けたら後に何をしないといけないかまで想定できる範囲で受けるか判断しないと。それができないなら前提を置かないと)ちょっと、厳しいことを言うかも。それでもいい」
「はい…」
「あなたが受けた仕事を進めるために。まず、担当営業を宛先に案内を出す。CCに関連するSEを入れる。当てのあるSEを教えるからその人も入れる。ここまでオーケーかな。その案件自体は営業は事前に公式情報として知っているから。社内で公式情報の打ち合わせをしたときに『ワタシから当てのあるSEの名前が出てきたと聞いたから宛先に入れました』と書いて。それ以外は淡々と事務連絡で」
「でもやっぱり…」
「ここから厳しいことを言うかも。そうだったらごめんね。何かは話してくれないのでわからないけれど(その顔を見ていると苦手意識があるようだね)。でも、自分で引き受けてしまった仕事は完了させないと終わらない。終わらないと言うことは『その苦手意識を終わるまで引きずる』ことになる。これは望まないでしょ。なら、自分の感情は傷がつかないようにこのメールを出すまでは閉まっておくんだよ」
「…」
「ところで、情報提供依頼はさ、誰が説明するの」
「担当者です。わたしも気になるので同席しようと思っています」
「(へえ。何も考えていないのかなぁ)あのさ、担当者とあなたが説明する側に座るじゃん」
「はい、そうです」
「聞きに来る人たちは、あなたはどっちの人に見えると思う」
「でも、わたしは担当ではないので」
「それは通じない。あなたの仕事は関連部署のSEは知らないんだから。あなたも担当者の『ひとり』として見られるよ。そこわかっているの」
「それは…」
「(ダメだ、筋書き書けないんだ…)他者から見たら同じ側に立っている人なんだよ。そう見られていると言う前提で行動する必要があるよ」
「どうしよう…出るのやめようかなぁ」
「自分で判断しなさい。どちらにしても、案内を出す以上、逃げられないのだから。覚悟しなさい」

フィクションですよ、フィクション。