先輩の知はわたしのシンボリックリンク知
「仕事はどんなことやっているの」
「開発リーダになって、さっきLTしていた若手たちとプロジェクトやっているんです」
「リーダ、いいじゃない」
「でも大変ですよ、リーダ。だって、XPで開発しているんですけど、最近入ってきた新人がXPじゃなくて『一人で開発したい』っていうんですよ。どうしたらいいか悩んでいるんです」
「時間とコストの余裕があるなら比較すればいいと思うけど」
「(どうしてという困った顔)」
「えっとさ、プロジェクトでXPを採用している目的があるじゃない。で、新人に一人でやらせてみてみるじゃん。目的達成できているかをね、比較する」
「…」
「これさ、ある意味スプリント0(ゼロ)だよね」
「!そうですね」
「多分ね、プロジェクトの目的に到達しないよね。だって経験少ないし、技術力は新人だし」
「はい」
「そんなことはやらなくても、ワタシとかあなたならわかるじゃない。でもね、新人の意見を頭ごなしに否定するのも大人じゃないじゃない。あとね、説得しても納得しないと思うんだよね。だって、新人ちゃんは一生懸命考えて言ってくれてるんでしょ。そういうときって『絶対こっちがいい』って思っているじゃん」
「あーわかります、せっかく考えて、勇気出して言ったのに怒られたり全否定されるとツライ」
「別の観点でね。リーダの採用する手法が正しいとは限らない。客観的にみたらもっと適切な手法があったなんていくらでもあるし」
「…でも」
「そのプロジェクトを考えて選んだ手法ならほとんどは間違いじゃないと思うから。でも、考えずにいつもこれを使っているからとか習慣でとかで選ぶ人もいるからね」
「それは一応考えて選んでいますので」
「ならいいんじゃない」
「でも、どうしてスプリント0をやればいいなんて思いついたんですか」
「やり方を応用しただけなんだよね。ほら、アプリ開発って共通化担当が先行してライブラリ作ったりするじゃない。後ろで業務アプリ担当が使ったり。それを思い出したのよね。ソリューション適用のビジネスだとフィージビリティスタディしたりするじゃない。フィット&ギャップ。ほら、FSってだれのためにやるのかな」
「…顧客ですね。間違っていたら検証程度の傷が浅いうちにピボットの判断できるので」
「顧客をさ、プロジェクトに置き換えたら同じじゃない」
「なるほど…勉強になります」
「勉強会だし。それは置いといて、結局、何にも新しいことはなくてFSなんてむっかしからある手法じゃん。おじさんは経験していることは知っているしやれる。勉強したことは知っている。それをシンボリックリンクにして自分の引き出しに追加しちゃえばいいんだよ」
「シンボリックリンクがここでwww」