曖昧に対する耐性がないとフラットな組織にはなれない


ワタシ、これまでもツラツラと書いてきましたが、組織のデザインはフラットな、階層構造の少ない組織を嗜好します。それは中間層のバイアスがかからない、排除できるから、というためです。


いくらフラットな組織を模しても、意思決定に時間をかけてしまったり、前で合議ばかりしていてはスピードが損なわれるので組織をフラットなデザインにする意味がないと思うのです。


もしスピードを優先して意思決定したことが間違っているとわかったら、それこそスピードをもって意思決定すればいいのです。

「フラットな組織とはマネジメントとしての意思決定を少人数でやるのです」
https://twitter.com/finayama/status/702265594918273024


フラットな組織にしてしまうと意思決定に係るプロセスがシンプルになる分、マネジメントに対するトランザクションは集中することになります。もし、多層型の組織のままで権限付与をしていたら。


組織をデザインし直すのであれば、所掌についても同時に見直さなければオペレーションが回らなくなることは安易に想像できることです。


所掌を見直すとき、マネジメントの権限をどこに降ろすか。組織なので役割、ロールに降ろさないといけない。


それをリーダ格、例えばプロジェクトマネージャとしてしまうと結局、多層型の組織をごまかしていることになる。


目指すとことは、一人ひとりのメンバに移譲されるデザインが求められるし、そうしなければ、

「現場の意思決定はメンバに権限移譲され、自律的に遂行されないとフラットな組織は成り立たない」
https://twitter.com/finayama/status/702266395422162945


多層型の組織で育まれて依存して育っているメンバは、自分で半ば意思決定をすることがあっても最終的ににはマネジメントがしていたから、おいそれと意思決定をすることは躊躇してしまう。


8割のメンバは戸惑い、6割のメンバは自分で意識決定をしない。


こうしたメンバは決まったことを決められたとおりにオペレーションをすることには長けており組織としてはとても必要な戦力ではあるが、フラットな組織にした場合、オペレーションがスタックする原因になってしまう。


フラットな組織に対して消化不良を起こしてしまう。


言ってくれたらやりますよ、指示してくれれば、という人は本当多く存在する。結局、

「どうするんですか、決めてください、というようなメンバがいる場合、フラットな組織では不適合を起こしてしまう」
https://twitter.com/finayama/status/702266395422162945


フラットな組織にデザインを変える場合、その前から下準備が必要であることがわかる。


それは、フラットな組織に変える前から、意思決定に慣れさせておく機会、制度を取り入れておくということである。


機会、制度というよりは、育成するスキルとして明示的に伝え、意思決定に関するスキルを伸ばさなければ昇級の阻害になるということを組織の意思として表明するということである。


その表明は、メンバにマネジメントの一部の権限を移譲し、行動することを要求するということにほからない。平たく言えば、

「これはフラットな組織にした場合、権限移譲されている範囲でマネジメントと同じように意思決定のスキルを要求するということなんだよ」
https://twitter.com/finayama/status/702266885316878336


これを行うことで何が起きるか。


具体的でない要件、要求を自ら課題設定することを求められる、ということ。

「多層型の組織からフラットな組織に移行するのであれば、それまでマネジメントが行っていた「曖昧な問題」を自分で課題に変換するスキルが必要になるんだね」
https://twitter.com/finayama/status/702267697027911680


具体的でない要件、要求とは、言い換えれば、曖昧な事象であって、それは人によって受けれられない。


とくに、多層型の組織で育ってしまった多くの人は、自分で曖昧な事象からテンプレートを導き出したり、テンプレートをもってきて課題抽出ができない。


それができる人は素養があるか、マネジメントの特性を持っている人に限られる。結果、

「でも、多層型の組織で育ってしまった人の多くはマネジメントの素養がある人以外は自然に対応できず消化不良を起こしてしまう」
https://twitter.com/finayama/status/702268074951467008


フラットな組織を目指すなら、組織としての下地を並行して作り込むか、導入と同じくして定着するまでマネジメントが腹をくくらないとマネジメントが多忙となって、組織のオペレーションが滞留して多層型の組織と変わらなくなってしまう。