課題は立体感覚で捉えるといいんだよ
「ねぇ、この課題はどうするの」
「そうですね。お客さまにはプロジェクトの課題管理で共有していますから」
「伝わっていると」
「はい」
「やってくれると」
「ええ」
「そうかなぁ」
「どうしてですか」
「課題はプロジェクトの課題だけどさ、落とし所がね、想像つかなくて、ね」
「SOWで合意した分担でお願いするだけです」
「それは正しいんだよ。それはね」
「なら、何が問題なんですか」
「質問で返して悪いんだけど、いいかな。それ、お客さまやれと思っているの」
「そうですねー、無理じゃないですか。期限は超えちゃうでしょう。今のリソース状況だと」
「そうだろう。先方にリソースが足りないんだよね。そうするとさ、何が起きるのかな、これから」
「期限までにできず、プロジェクトが遅れますね」
「それ、うちにもインパクトあるよね。それはどうするの」
「責任範囲外の遅延は営業交渉するんでしょうね」
「それってさ、受け身だよね」
「何にですか」
「リスクに対して」
「でもお客さまに原因がありますよね。なら問題ないじゃないですか」
「契約的には、ね。でもプロジェクトはお客さまと私たちのプロジェクトじゃないの」
「プロジェクトのステークホルダーとしては、そうですね」
「どうせやるなら、もっとプロアクティブにやればいいのに」
「支援しろということですか」
「ことが起きる前に提案してもいいんじゃないかな。それでも頑張るというなら取り下げればいいんだし」
「手間ですねぇ」
「結果的には同じように費用は請求することになるんだけどね」
「そうですね」
「でも1つだけ違うよ」
「それはなんですか」
「少し考えてごらん」
「うーん、すぐには思いつかないなぁ」
「このコーヒーカップあるじゃん。このタンブラーさ。キミとワタシと同じに見えると思う」
「柄が違いますから違うんじゃないですか」
「そういうことだよ」