自分だけフィージビリティスタディのススメ
ツールや手法の導入を目的にしてしまうと失敗してしまい、二度とそのツールや手法を使おうなんて言えなくなってしまったりするなんて世間ではよく聞く話です。大概は偉い人の一声だったりするのでやりたくないとは言えず、時期尚早とも言えず。ツールや手法を使う現場が受けれられる、使いこなすだけの成熟度を持っておらず、などなど失敗するだけの理由はたくさんあるのに無理に飲み込んでしまうからなんでしょうが。
でも、現場で、実務で使ってみたいということもあると思うんですよね。そのツールや手法がプロジェクトが抱えている課題解決の手段であると見切れているなら積極的に導入していけばいいのですけど。だって、現場がうまくいっていないのですからどのみち上手くいかないのなら、可能性のある手段を試してみる価値はあるわけで。
ただ、現場がそこそこ回っているときには現場を変えることは抵抗されたりするわけです。変えなくていいじゃん、って。でも、新しいツールや手法が良さそうだと思うとやっぱりやってみたい。そういうときにどうするか、と。
自分だけフィージビリティスタディ
一番手っ取り早く、それに自分だけを対象にしてやってみたいツールや手法の適用範囲を限定してやってみる。まず、自分を実験材料にするので期待と違う結果となっても周りを巻き込んで手戻りを発生させない。
1番良いのは、想像していた期待どおりにツールや手法の効果があるかを効果測定ができるんですね。そして、それが期待どおりであれば実績として言える、と。日本人は自分で経験をして判断するより他人の実績を求めて将来の担保を得ようとしますからそうした習性につけ込むことも一つの策かもしれません。
多くは、フィージビリティスタディをやる前に得ていた知識と違う経験知を得ることになります。それは、書籍やプラクティスとして得ていた知識では表現することないコツや環境特有の事情から利用者側が考えて行動しなければならない範囲において。
エッセンシャル適用
エッセンシャルとは本質、欠かすことのできない、という意味です。ツールや手法があるとついつい教科書どうりにとかプラクティスのままにとか、既知の形式知をお手本に完全コピーしようとする人もいますけれど、いえそれが悪いことではないんですが…、完全コピーを目指す時点で導入が目的に変わりやすいんですよね。
そうした失敗を回避するためにも、ツールや手法の一部を取り入れてみて適用を拡大したときの効果測定を計り、適用範囲を拡大したり、ツールや手法から持ち込む技術を増やす方が安全ですよね。
そのためにはツールや手法の中から効果の期待できる部分を選ぶだけのテラーリング力が必要となりますが、そのツールや手法の当たりをつけたり、自分だけフィージビリティスタディなどをやっておくことがテラーリング力をより確かなものとして身につけられるのでこれはこれでお勧めしたいところです。