役員に反論されたときの戦い方
プロジェクトやコンサルティングをしていると顧客側の役員クラスが出張ってくる会議があったり、想定していない会議に前のめりに出席されたりする場合があります。
予め、出席することを聞いていれば何らか対策を考えられなくはないですけど、役員クラスになると役員に上り詰めているだけあって、何かしら持論をお持ちですからこちらの主張やコメントに対して、持論(反論)を展開してくることはままあることです。
と言うか、そうした役職の方々は、一方的に物を言われることをは好まないと言うか、同席する部下への示しがつかないと思われているのか、何かしら火種を投下されるのが様式美になっています。はい。
反論を話し始めたら
役員がこちらの意見、コメントについて持論、反論を言い始めたらまずすることは、
「普段以上に傾聴する」
ことです。逆にしてはいけないことは
「すぐにこちらの意見、コメントを言い直す」
ことです。
会議の主旨で行動する
なぜ、こちらの意見、コメントを言い直してはいけないのかですが、その理由は、会議の目的、主旨を達成するためにならないからです。
会議を開くと言うことは何かしら目的があるものです。例えば、こちらから意見を伝え、それを会議の決定事項としたいのであれば決定事項が得られる行動を取る必要があります。
役員が出席しているのであれば、役員に最終決定権があるとすればその役員が「同意」しなければ決定しないことなります。
取るべき行動は反論でも同意でもない
会議の場で、役員がこちらの意見、コメントに対し反論、持論を返してきた場合、取るべき行動は、再度主張したり、役員の意見に上辺だけで同意することではありません。
再度主張すれば話になりませんし、上辺だけ、その場をとなそうと上辺だけで同意する振る舞いをすれば、役員は自分の反論、持論がその場で受け入れられたと判断し、その会議の目的はその時点で達成できなくなります。
まずは全部を話させること
まずは何を言いたいのかを全て話せさせることです。学校で習ったように、相手の顔を見て話を聴くことです。
時々、横に並んでいる役員の部下の顔も観察しましょう。困った顔をしているか、やれやれとした顔をしているか。
その上で、主張していることの本質は何かを整理します。
ペインを押さえる
多くは、その役員も反論したり、持論をぶつけてきたりする背景に組織の中でこちらが主張する意見やコメントの原因となっている事象について業務上の課題になっているのです。
#だからこちらの意見やサービスを費用を払ってまで求めているわけです。
全てを話し終わる頃になると役員になっているだけあって、我を取り戻したり理性を取り戻したようにトーンが変わってくるものです。
反論、持論を言ったけれど、自社で解決できていなくて困っているのだ、と。さらに、他社ではどうなのか、参考にしたい、と。
議論ができる相手であることを伝える
役員様がおっしゃっていることは「このように理解しました」とまず、最初から最後まで言っていることを聞いたよ、と言葉で伝えることが大切です。
それは役員から部下に対しては力学的に一方通行になりがちなところを、双方向のコミュニケーションが取れる相手であること、議論をできる相手であることを伝えるためのプロトコルとして必要です。
その上で、役員様の反論、持論の解決方法がこちらの主張、コメントであると言うことを伝えれば良いのです。
ゆっくり、資料のポイントを1点だけフォーカスしてみせます。
役員様が言っていることは「これ」で考慮されていますよ、と持っていきます。
役割を果たさせること
会議に出席する人は、それぞれ、会議に使命感を持って出席されるものです。なので、役員に対しても役割を果たしてもらうことが肝要です。もちろん、反論して、コンテンパンに顔を潰すこともできるかもしれません(コンサルならそれでもいいです)が、会議の目的はそれではないのでそこまでする必要はありません。
その上で、最終的にこちらの意見、コメントのある土俵に持っていくのです。
まあ、こちらの意見、コメントが穴だらけだと収集がつきませんが。