プランニングポーカー、工数見積もり、理想時間、標準SEでやったら
アジャイル開発での見積もり手法にプランニングポーカーと呼ぶやり方があります。たぶん、ご存知だと思います。
ざっくり説明すると、
- プランニングポーカーのカードを使って(別にフィボナッチ数をコピー用紙に書いておいても大丈夫)
- 開発テーマをチーム全員がそれぞれどのくらいの規模と思う数のカードを出して(コピー用紙に書いたら、数字を指差しして)
- 大小と振れたメンバに何を心配してその数字になったかを共有して
- メンバ全員が同じ数になるまで繰り返す
こんなやり方で規模を見積もります。
ここで、規模と書いているのは工数ではないから。プランニングポーカー的にはポイントという単位か理想時間を単位で規模を表します。
規模(ポイント)でも理想時間でもそうなんですが、大事なことは、システム開発でよくある作業中の割り込みを一切省いて規模を出さないといけないというところ。
これまで経験してきたシステム開発では、過去に正直に自分が担当した場合の自分の工数だけを積んでみたら割り込みや引きずられてひどい目にあって、作業毎に少しずつバッファを積み上げて工数を見積もっていたでしょうし、今でも見積もっていると思います。
まぁ、経験則による自己防衛、というところでしょうか。TOCでは作業毎に積んでいるバッファをプロジェクトとしてまとめたりしますよね。
話を戻して、プランニングポーカーの良いところ、プランニングポーカーが狙っているところはなんでしょうか。
とあるプロジェクトで作業見積もりを精緻に出したくて(局面のリリース日と予定作業の工数がハマるかどうかを知りたくて)プランニングポーカーではありませんでしたがほぼそれに近いやり方で予定作業の規模を見積もっていたことがあります。
やっていたのはこんな感じです。
- ホワイトボードの前に全員集合します
- 予定作業を書き出します
- 成果物を書き出します
- 仕様を決めます
- 全員で割り込みがなければできる時間を出し合います
- 大小で振れた数字は何が原因でそうなったかを共有します
割り込みがなかった前提での時間を見積もっているのはプランニングポーカーの理想時間で見積もっているのですよね。結果的に。
あと、理想時間=集中してやったらと前提を置くと、割り込みと捉える作業がボロボロと可視化されてこれもまたエンジニアによってと捉え方が違うので面白いです。
ここで(当時も規模を見積もっているときに)繰り返しリマインドしたのは、中堅か少し下の経験の某エンジニアがやった場合の規模で考えて、ということです。
この、某エンジニア(規模見積もりしているときにはメンバには○○さん)がやったらの前提で見積もるように具体的に名前を出しています。
なぜかわかりますか。
作業の規模を見積もるとき、エンジニアは無意識に「自分の能力」を基準に見積もるからです。
ワタシが見積もればワタシがやったらこのくらい、アーキテクトのAさんが見積もったらAさん基準、若手で経験が少ないBさんが見積もったらたくさんのバッファを積んだ規模をBさんが見積もります。
これではチーム全員で見積もってもエンジニア係数が違うので同じ数になったとしても見積もり規模とは違う実績を引き起こすのは必須です。
これでは意味がありません。そこで、某エンジニアが理想時間でやった場合を全員で見積もりするのです。
そういえば、プランニングポーカーでこの標準SEというエンジニア係数を揃えて見積もるというのは明示的に記述がある物をみた記憶がないのですがどこかにありましたっけ。