締め切り駆動型の仕事
アジャイル開発の場合、チケット(タスク)の作業規模はプランニングポーカーを使い基準となるタスクと比較して大きさをチームで(合意する大きさに)見積もるか、理想時間で見積もる方法を取る。
どちらの方法であっても、その作業を純粋にやったらという前提がある。それは、日中、仕事をしている上で、集中して作業をすること自体難しいと言っているようなものである。万難を排して作業に集中したら、あれ(基準のタスクで掛かった)時間のN倍で終わるはずだ、理想時間なら2時間で終わるはずだ、と言っているからである。
ところで、どちらも正味の作業ボリュームを表現しているのであるから、作業ボリュームを合意した時点で納期を約束したようなものである。
お分かりだろうか。
ウォーターフォールでできの悪いプロマネの馬鹿げたスケジュール(と呼ぶには勿体無い)アクティビティの完了予定日を設定されているのと同じである。ましてや、自分の見積もりのボリュームと他のメンバの見積もりが違っていて、そのギャップを埋めた後では、そこまでやるのかとか思った以上にやることあるなと気付かされている訳である。
そうは言っても馬鹿らしいスケジュールを結果的に集中する時間を捻出してやったことにするよりは天地の差があるくらいマシではある。
どちらにも共通していることがある。それは締め切りを設け、それに合わせて仕事を終わらそうとするということである。自らを律しなければとても実現性は低くなるし、中途半場にやっつけでやるとお釣りを受け取る羽目になるばかりか、明日の自分の時間を今日の自分のせいでドブに捨ててしまいかねない。
締め切り駆動型とも称することもあるが、このやり方でアクティビティ、仕事を終わらすことができないエンジニアは、二つの観点が抜けている。
- 自分自身の技量レベルの認識
- 他者の作業をコントロールする意味
例えチームのメンバと合意していたとしても、自分の技量レベルをポテンシャル=期待値でしか見れなければ期待した以上にパフォーマンスは得られない。
同じように、自分が主導権を握らなければならないアクティビティに他者の作業が絡んだまま、それを他者に手綱を渡したまま見積もっているなら相当の段取りマスターか昼行灯でしかない。
結局のところ、みんな仕事は締め切りに追われる仕事の仕方をしていて、その締め切りの中でコントロールできる人だけが余裕を作って仕事をできるのである。