評判の悪いエンジニア

評判の悪いエンジニアっているものです。評判はそれを聞く人の話し方によっては評価が悪いと思えることもあります。評判でも評価でもいづれにしてもとあるエンジニアに対して悪い印象だということははっきりしています。

評判の悪いエンジニアが他部署のエンジニアであれば「そうなんですねー」で流すことも可能だけれど、異動してきたエンジニアの評判が悪いときに向けられる言葉が

「なんとかしてくれ、頼む」

なのはひどい話だと思いませんか。

エンジニアの評判を悪くするには

評判の悪いエンジニアの仕事ぶりを見ているときになることが幾つかちらほらと。

・完了基準が独りよがり
・詰めが甘い
・文章が稚拙
ボトムアップでロジックがない 

・人の意見を参考程度でも聞かない

完了基準が独りよがり

成果物の完了時のイメージが明確に持っていません。間違っているかもしれないけれど、仮説を置き、作業開始時に関係者と完成時のイメージを持って作業をしないと周囲はどこまでやればいいのかわからないため集中することができません。結果的にまとまらないところを無理やり完了にこじつけようとする際に自分の

「このくらいでいいや」

で決めただろうとたやすく見抜ける程度の出来合いでアウトプットが出てきます。

これが見る人(=ワタシ)によっては、自分に甘いとしか見えないのです。仕事の、作業の完了基準は作業ごとのアウトプットの品質要求で決まるもので、自分のその時の都合で決めるものではありません。

詰めが甘い

作業ごとのアウトプットの完了基準を自分の都合で調整してしまうので、必然的にアウトプットの詰めが甘いです。別に100点を取る必要はありませんし、完璧なんて求めていません。高い点数はスキルのレベルの高い人が目指せば良いのであって、評判の悪いエンジニアのレベルが中堅なら中堅のレベル程度のアウトプットがあればいいのです。そうしたレベルでフィルタを下げてもすぐに見つけられる仕事の詰めの甘さを持っています。

文章が稚拙

書き物をしてもらうと知識量や文章力に見え隠れする論理的なものの考え方を伺うことができます。

例えば、資料の構成を見るだけで、スコープの決め方、話の持って行き方をどのくらい情報を集め、界面とカバレッジを押さえ、ロジックを作りながら持っていきたい方に結論を導こうとしているかがわかります。

書き物の文章が稚拙であることが読み取れると、目の前で手に入る情報で都合の良いものだけを選び、まとめてしまう今時のキュレーションメディアレベルのまとめサイトと同じだな、あまり考えていないな、ともうんですよね。

ボトムアップアでロジックがない 

稚拙な文章を書くのは、情報を積み上げていくからです。プロジェクトなどの仕事はWBSに代表されるようにアウトプットの完了イメージがあり、それを構成する部品に分け、部品を作り、作った部品を組み立てるように作業を標準化します。

そうした仕事上の方法論を取っているのですから、その中の作業も同じようにしないとアプローチが違いますから不整合を起こします。

暗黙に、トップダウンの作業プロセスを取っている以上、ボトムアップの仕事をされると手に入る情報で組み立てようとしているように見えるので、カバレッジはないし、ケース漏れはあるしの状態です。こうしてできたアウトプットをレビューするまでもなく、ちょっとした質問をするだけで抜け漏れが見抜け得てしまうのです。

それでも、きっちりとロジックを持っていればまだ救えるのですけれど。

人の意見を参考程度でも聞かない

ちょっとした質問などをすると必ず反応があるのは、

「これまで検討してきたのだから手戻りしたくない」

というものいいです。

「いやいや、あなたの手戻りはあなたの考慮もれなのだし、それは進め方に問題があるからなんだよ」

とは言いませんが、全部ではなくてもアウトプットの要求品質に近づけるためには人の意見のうち、重要だ判断するものだけでも選りすぐって反映した方が後でちゃぶ台をひっくり返されなくていいと思うのですけど。

 

結局、評判が悪いエンジニアは、自身がとる振る舞いと実際にアウトプットされる成果物が見合っていないのですよね。物を言う割には、そのレベルなんだ、みたいな。

個性として認めるものは理解しますし、その人特有の性格や性質もそう言う人なんだ、と思うのです。ただ、仕事上のアウトプットに対してまでそれを持ち込むから評判が悪くなるのかもしれません。

評判の悪いエンジニアがメンバになったら、それはそれも縁ですから良いところを伸ばす機会を作る、アウトプットに求められる品質を満たしていなければ満たしていないと差戻す、そうしたことを続けるのがお仕事だと思います。