エンジニアは孤独か

HBR6月号のメイン記事である。サブタイトルに

WORK AND
THE LONELINESS
EPIDEMIC

成人の4割が自覚し、寿命を縮める病

「職場の孤独」という伝染病

 とある。

 

 

リードの文章では、即刻この状況をに対して対策を取らなければならないらしい。

孤独については「はっ、何言っているの」と頭を過ったのがファーストインプレッションである。大人って一人遊びができるから大人なんでしょ、と思っていたから。

もちろん、仕事においても意思決定して仕事を終わらすのは一人でではないのか。

個人的な考えは一旦棚に上げて、エンジニアの仕事と孤独はどうだろう、と。ちょっと、そんなことを思った。

ひとり作業

 そう言えば、エンジニアが一人でやる作業はどうして存在するのか。

専門性を持ったエンジニアと専門性を持ったから故の分業体制が起因となっている。こうした形態は、システム開発だけの特有の事象ではなく、工芸や建築でも同じように専門性を持った職業となっている場合に見られる。

システム開発で言えば、成果物を作成する作業を専門性をもつエンジニアにアサイメントする仕事の仕方がひとり作業を形作ることになる。

一人の作業

 そうするとエンジニアに作業分担する作業が全てかというとそうでもない。設計書を書く仕事は書く、修正するは一人で行うが、作業自体の完了の定義や進捗の共有、仕様の調整、設計書のレビューは共同作業である。

孤独を感じる作業

 エンジニアの作業でいえば、成果物を作成する作業がひとり作業なので、外形的には一人の作業として挙げた作業をする場合に孤独を感じると考えられる。

ただ、あくまでも外形的に、である。

成果物を作成する際にはエンジニアが持つ技術や理解力及び思考を総動員することになる。ここで自分のエンジニアとしての力量に向き合うことになる。

難易度の低い作業であれば持つ合わせる力量で賄えるため心理的な不安を覚えることはない。ところが、未経験の技術レベルを要する作業では試行錯誤をしつつ、自己の能力を伸ばしながら作業を進めなければならない。

ここで自己と向き合うことになり、孤独を感じるのだろう。

孤独にしない作業方法

 複数のエンジニアが同時に1つの作業を行う形態で仕事をすればエンジニアが孤独を感じる機会を減らすことが可能なはずだ。

そうした方法を挙げるとすればペアプロかモブだろう。

ペアプロは二人で行うからペアとなるエンジニアとの相性が影響を及ぼす。比較対象としてしまうと自分の力量に跳ね返り、孤独を感じてしまうかもしれない。

その点、モブの方が入れ替わり立ち替わり作業を行うため、多くのエンジニアから学ぶ方が多くなり、比較する対象が薄れる。

どちらの場合でも自分と比較するのは自分であることがわかっていないと技術レベルの較差を孤独に結びつけやすい。

システム開発は無形であるがためにエンジニアの作業を孤独にさせにくい方法をとる手段があることは幸いなのかもしれない。

 

 

 

 

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