『好き・できない』エンジニアを『できる』エンジニアに
嫌い・できる | 好き・できる
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嫌い・できない | 好き・できない
この四象限で一番エンジニアとして辛いのはどこだと思うだろうか。自分は、右下の『好き・できない』が一番辛いと考えている。
一番良い組み合わせは『好き・できる』技術でキャリアを描いているときである。一方、対極に当たる『嫌い・できない』を続けている人はいないと思うが世の中不思議なことばかりなので言い切れないところがなんともである。
左上の『嫌い・できる』は別に好きではないが、地頭の良さなのか要領がいいのかはさておき、結果を出せてしまうというパターンである。特段、好ましくない技術でも、折り合いがつけられたり、仕事だからとか、他にやりたい技術も思いつかないからとして、続けられるパターンである。この象限のポジションで仕事をしている人はとても多そうだ。雑談で今の担当の仕事は好きかと質問を投げかけてみれば、半分くらいは『別に』と返ってくるだろう。
最後に残った『好き・できない』の象限が自分としては一番辛いのではないかと思う。
何しろ、ご本人はその技術を好きで好きでたまらないのに、成果が出ないのであるから、好きと辛いという二つの感情を同時に背負っている。
成果が出ない分、周りからは相応に扱われているかもしれない。ご本人は、好きでいるからへこたれない。
そう、好きでいるうちは。
ずっと、好きな技術を追ってきているから、他には眼もくれない。
とは言え、組織の中で働くのだから、成果が出ないと居場所がなくなってしまうし、その技術が他の技術へ移ってしまうと、身を振る先がなくなってしまう。
そうならないように、好きか嫌いかを見ずに、できること、才能のあること、ポテンシャルのあるスキルを見つけるのがラインマネージャの仕事だと思っている。
エンジニア自身の視点から見えている世界とは違う視点で、一人ひとりのエンジニアの素養を見定め、そのスキルを恣意的なアサイメントで伸ばさなければならない。
『好き・できない』よりは『嫌い・できる』方が成果を得られる。できて、認められる方に関心を向けない理由はない。
マネージャは、エンジニアというリソースのパフォーマンスでビジネスを創るのが仕事である。
まずは、できるのラインに載せてから。
ところで、『好き・できない』エンジニアがいたら、好きの『何』が好きなのかを聞くことは、できるを増やすための1つのポイントである。
どうしてかというと、『好き・できない』エンジニアがどうして好きでいるのか、他の技術でそれを見つけることができるかもしれないことを気づかせられるからである。
えてして、『好き』な技術に依存をしているもので、その『依存』先を増やすのである。