石の上にも三年で我慢するのは先輩エンジニア ー4年目の春を迎えたエンジニアのみなさんへー

3月後半から新人エンジニア向けのこうしたらいいよ系とか、こんなブラックな会社はさっさとやめた方がいいよ系のエントリが多くなってくるのはやっぱり春だから、じゃなくて、優しさとお節介とが入り混じったおじさんエンジニア特有のアレなのかもしれません。

まあ、このブログも30年くらい、今のところは生き延びているおじさんエンジニアの経験知の共有ブログですから似たようなものですし、振り返ってみればやっぱりそういったエントリは書いているので。

素人に玄人芸を求める日本人気質

新卒一括採用でよく言われるのが、素人に玄人芸を求める(一般には、床上手を求めるという表現をオブラートに包んでいますよ) のはバカじゃないの的なやつ。

これ、日本人気質なんじゃないかと思うくらい、どこでもやっていますよね。ひどいケースになると経営者や人事が即戦力採用とか言い始めるというかずっといっている。そんなに即戦力を欲しければ、サラリーを2−3倍にして中途採用すればいいんですよ。

こういうのを見るとアホだなーと思う。

 経営者も人事もそんなことを言っている人たちは、自分が新人採用されたとき即戦力だったのか、と問いただしたい。

一から仕事を覚えたでしょ。

諦める

いいですかね。もし50歳近い年齢なら学卒採用の子どもさんがいてもおかしくないんですよ。何が言いたいかというと、自分の子どもを見ていたら、高々20歳ちょっと、22歳〜26歳くらいの子どものやることなんて期待できないでしょ。

自分の子どもなら。

こんなものだよな、と思うじゃないですか。

でも、できるようになると嬉しいですよね。子どもが何かをできるようになると嬉しい。

ここですよ、ここ。

躾と仕事ができるようになるのは別

組織の意思決定の背景には文化があります。意思決定の行動基準が非言語的コミュニケーションを介して慣習化したものです。それは組織の中で求められるから従ってもらわないといけない。その組織にいる間は。

なので、それは生き延びてもらうために振る舞いを躾として装備してもらう。

でもですねぇ。仕事は躾で身に付けるものかというとそうじゃないんじゃないかと思うのです。先の、子どもができるようになったら嬉しいし、早く仕事を覚えて欲しいじゃないですか。

仕事には操作的な決まった手順を覚えるのもあるし、仕事のやり方を自分のものにして行くのもあります。特に、後者は自分で習得してもらわないと行けないけれど、手順を覚える作業とは違うので習得するまで待つしかないんですよね。

だって、主体者に100%依存するから。

それを待っていられないから型から覚えてもらって、という仕事の覚えさせ方もありますけど。

仕事の覚え方は人それぞれ

 なので、子どもが何かをできるようになるように待つしかないのですよ。だから、カミガミと躾のように言っても仕方がない分野もあるということです。

その気になってもらうところからですよ。

人それぞれですから、仕事の覚え方は。

石の上にも3年は仕事を教える側

石の上にも3年は、仕事を教える側が3年待ちなさい、ということなんじゃないかと思うのです。

3年はいいよ。待っててあげるよ。一人前になるまで。でも4年目の春からは一人前として扱うからな。覚悟しておけよ、と。

ということで4年目の春を迎えたエンジニアは覚悟をしてください。一人前として仕事を見ますので。

 

 

上司が何を言っているのかわからない!というあなたへ

上司が何を言っているのかわからない!というあなたへ

 

 

 

 

 

 

わからないことを聞けることはすごいのよ

前にプロジェクトチームの中に若手のエンジニアがいたんですね。おじさんエンジニアばかり相手にしていると若いエンジニアがいるだけで雰囲気も変わるし、何より新鮮味がありますよね。

プロマネやマネージャの立場であれば、コスト的にペイできるなら顔見知りのおじさんエンジニアの方が楽です。アウトプットのレベルは知っているし、進捗もこのくらいでやってくれるだろうと見切りができるので。

もちろん、アウトプットのレベルはプロジェクトの品質要求にこれだけ足らないだろうからそこは手間を掛けなきゃとか、進捗もこのタイミングで借金取りのように催促を始めなきゃという手間はあったとしても、確保できるものがやる前から担保できるから、総合的に楽なんですよ。

おじさんエンジニアのウィークポイントは健康。これさえトラブらなければ問題ないですね。数年おきに何かしら健康トラブルを起こすおじさんもいますが、年齢的なものもあるのでそこはそういったリスクはテイクしておくのがお作法ではあります。

わからないことと理解できないこと

おじさんエンジニアが楽だというところの一つに、わからないこと、理解できないことを聞いてくれることがあるのですよ。

これとても大事なことです。要件を聞いて、適用技術に当てはめるとどうなるかを考えてくれているということです。頭の中でどうなるかをシミュレーションして何か引っかかったり、持っている経験知と突合してそんなのやったことないぞ、とか。

お仕事なのです。テストではないのです。

だから、わからないことはわからないと言わないと作業が進捗しません。だから、わかる人にどうしてその要件からこの仕様になったとか、アーキテクチャ的におかしいぞ、なぜそれでいいのか、的なことを疑問に思うだけで十分すごいことです。

そして、それをそのまま流さないところがもっと偉い。

仕事を終わらせようという意思が感じられますよね。だって、そのままわからないことを放置したら、後になって文句を言われるわ、リカバリしなきゃだわっていいこと何一つないんですから。

わからないことを理解する

 今時の若いエンジニアの方が能力的に優秀な方が多いと思うんですよ。よく勉強ができる。だから、理解できるお膳立てが揃っていれば吸収するスピードはめちゃ早いです。

これ、実例がありまして。

若いエンジニアにある業務をスキトラするときに工夫をしたことがありまして。

初めて経験する業務、その業務に必要な知識は事前に参考分野のキーワードを教えて時間があったら読んでおいてくらいで振っておいたけれど、実際読んで理解してきたかは怪しい。真面目だから読んではきたかもしれないけれど。

joinしたらすぐに適用技術や手順を教えたくなりますよね。期待するパフォーマンスをできるだけ早く発揮して欲しいから。

でも、細かなことは一番最後にしました。そんなの数こなせばできるようになる素地はあるはずなので。

最初に手をつけたのは、考え方、方針、判断基準といった作業を進める上での行動規範になるイズム的なものから何度か繰り返した後に実務の仔細を覚えてもらいました。

プロシージャから入ると公式で回答をいきなり解いちゃうんですよね。勉強できるので。でも、お仕事上の特性もあって、それでは判断を間違える危険性があるのでそうしないために、行動規範的なところから。

最初のアウトプットはそうした行動規範と一致しているかでいいところ、やりなさいと拙いところを指摘します。そうしないと結果が違うものになるので。

そうした経緯で始めてもやっぱり理解できないこと、消化できていないことがあるんですよ。それを放置しようとする。若しくは、放置しようとしていることに気づいていない。そこを繰り返し指摘をするのです。そのままで進んでしまうと間違いをしてしまうよ、と。

結果的に本人が優秀だったから、期待するように作業をできるようになったので、わからないことを放置することが間違いを犯すなら、そうしないためにわからないことを聞けるように周りが環境を作るのは大前提だし、わからないことを聞けるということはやっぱりすごいことなんですよ

仕事を理解しようとしていることがわかるので。

 

なので、薄っぺらい合いの手でわかりました的なレスポンスをすると全くもってわかってないなと思っているんですよ。こちらは。

 

「わからない」という方法 (集英社新書)
 

 

 

 

 

早起き通勤とトレードオフ

早起きを約20年くらい続けている。ただ早起きをしているだけはなくて、そのまま仕事場に行っているのです。

ある時期のプロジェクトで、通勤の混雑ぶりが酷くて少しずつ乗る電車の時間を早めていったら、いつの間にかプロジェクトルームの鍵を開けないと入れない時間までになってしまったこともあったり。そのときは、こっそりと暗証番号を教えてもらって入っていましたね。

いつも一番のしているのかというとそういうわけでもないです。プロジェクトルームが自社でない、つまり顧客先の場合は側のコーヒーショップで時間を過ごすことが多いですね。時期により早く行った時間でやることは変わりましたが。

自分の仕事の時間を確保する

朝ごはんを食べて、仕事をしていたような気がしますね。始業時間を早くするイメージに近いかも。その分、帰りは残業しないで(いや、早く出て早朝に残業しているのですが)帰るようにしていましたね。

そのとき思ったのは、夜の残業はきりがないなーと。昼間は割り込みが多いし、会議があるし、自分の仕事いつやるんだ的な思いもあって早朝残業に当てて集中して仕事を片付けていたんですね。

このときに、自分の仕事の時間を確保する、ということを考えるようになりました。ポイントは、自分の、です。会議や割り込み、相談は自分の担当分の仕事は進捗しないんです。これに気づかないと永遠に残業をすることになるのです。

仕事以外の時間に当てる

 自分の仕事の時間に当てて仕事をするようになって、でも、自分の仕事の時間の確保を定時の中でも出来るようになると時間を持て余すようになります。ネットをしていても飽きるんですよね。

当時、考えるところがあって今読んでもらっているブログや関連コンテンツ用の時間として使うようにしたんですね。

家でやればと思うかもしれないけれど、場所を変える効果は大きいんですよ。家にいるのに一人だけ別の部屋にいるのも他の家族から見たらおかしいでしょう。 試験勉強でもしているなら一時期ですから理解も得られるけれど。

あと、人によるのでしょうけれど、場所を変えたほうが集中できることってあるんですよね。それがコーヒーショップだっただけで。

リスクを避ける

 始業時間少し前に着くようにしているときに、ホームでトラブルに巻き込まれそうになったときがあったんですね。因縁つけられた、的な。

やっぱりねぇ、混雑は余裕がなくなるみたいですね。で、これは避けなければならんと思ったことも一因ですね。早い時間の電車に乗るようにしたのは。

パーソナルスペースに余裕がある方がいいです。

トレードオフ

 (相当の)早い時間に電車に乗ると座れる路線なんですよ。逆かな。座れる時間まで早めて通っている、みたいな。

だからトレードオフがあるんですね。生活に。仕事場で飲み会があると割と19時スタートとかあるんですがそれに出ていると遅くなって、翌日の仕事に影響するんですよ。睡眠時間が削られるから。出ても大したことを話しもせず、学びもない時間を使うことがねぇ。でも、立場的に出ないといけないな、と思うときもある。この辺りが面倒臭い。

それよりは負担のない生活を送りたいわけです。決まった時間に寝て決まった時間に早起きして、空いている電車に乗る。

ただ、同じようなことを考えている方も多くて、路線により早朝からめっちゃ混んでいる電車もあるのが驚愕です。そればかりじゃないんですけどね。製造業だと始業時間が早いですからね。

そうそう、季節によって早朝の電車の利用者数が少し変動するところも面白いです。

でもやはり、早朝に電車に乗って時間を自宅でなんとなく使ってしまうよりはコーヒー飲みながらやりたいことをに使う方がいいかなと。

 

1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣

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エンジニアとウソ

4月1日と言えばエイプリルフールでネットもアプリもネタでおもしいと思うものもあれば滑ったなと思ったのもあったり。まあ、飽きた感はあるんですが運営サイドはお仕事でやっているんでしょうし、面白ければまた来年にお目にかかればと思いますがそれも来年になって観測範囲に入る分だけかもしれません。

ではこのブログでできるエイプリルフールネタはと思い付くのはブログ終了とか、退職しましたエントリとか、起業しましたとか、CTOに就任しました的なものかなと思ったけれどどれも面白そうでもないのでそういったのはいいかな、と。

エンジニアとウソ

というタイトルを思いついたので。エンジニアは何に対して嘘をつくのかと。

  • 進捗(実績未達)
  • コンプラ(遺失、手続き) 

大雑把に分類するとこの二つかなぁ。

進捗のウソ

進捗には品質未達も含めているのだが、どうして別にしなかったのかというと、品質未達は結果であって、本来は作業に組み込まれているもので、品質未達は品質達成の状態になるまで作業を続けずに、品質達成したことにして(ここで進捗のウソを言う)結果的に品質も未達になっている状態になるから、なんだけれど、どうだろう。

圧倒的に多いのが進捗のウソですよね。まあ、本人はウソのつもりはなくて、どちらかと言えば、バツが悪くて言った後に(進捗を)取り戻せばいいやと思っていたけど、結局、取り戻せずに進捗の負債が積み上がっていくやつ。

こうしてみると、計測される対象についての嘘しかないのだな、と。他にありそうなものは、使用についてウソを言うかと想像してもウソをつくメリットがない(進捗は遅れを取り戻す方便のメリットがある)のでね。

そう言う意味だと、報告でのウソ(ウソというよりは二重帳簿的な)ものはこれもよく見かけますよね。

細かな遅れがあっても工程を跨がなければ報告しない、とか。裁量なのでそれまでウソにするのはどうかと思うけれど、リニアではないのでスナップショット的な進捗報告だとどうなんでしょうね。

まあ、細かすぎるところを報告しても重箱の隅の突きあいとか、余計なマイクロマネジメントの介入になりそうなのでこの辺りは報告相手に応じてマイルドに、でも肝心なところだけトピックとして報告するのかしら。

コンプラのウソ

コンプラのウソのイメージは、物を無くしたのに申告しない系のウソと本来手続きをしなければならないのにしていなかった系のウソ。

 物を無くす系には、物理が多いけれど、スマホ、PC、書類、入館証、IDカードとか。入館証やIDカードはセキュリティゲートや保安で引っかかりそうなのに、テールゲートや忘れましたと臨時証でやり過ごす輩がいるのを知ったとき、こりゃダメだなと思ったんですよねぇ。

そう言うのは大体、拾得の連絡で発覚するんですよねぇ。申告していれば始末書でよかったのに、拾得が入るとそれまでどうやって入っていたのかとか、セキュリティ強化されるのでみんなが迷惑なんだよねぇ。

 

 

 

 

誰もが嘘をついている ビッグデータ分析が暴く人間のヤバい本性

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50歳エンジニアはうたた寝する

50歳になってみて、わかったことがあるのです。これはなってみないとわからないのかもしれない。

現場でもどこでも50歳を超えた、新人エンジニアから見たらお父さんくらい年が離れているお50代のエンジニアってうたた寝している姿を見かけることが多いと思うんですけどどうですか。

こっちは仕事しているのに、アレ(=うたた寝していて)給料を貰えるんだから50代のエンジニアはいいよな、的な感情を持ってしまうやつ。

アレねー、わかりました。どうしてうたた寝してしまうか。

とは言っても、若くてもシエスタしているエンジニアのお兄ちゃんだって見かけないわけじゃないですけど、圧倒的に少ないですよねー。やっぱり、50代のエンジニアの方が多いですよね。

若いときというか、中堅くらいのときだってうたた寝してしまうときもありました。お昼食べすぎのあとが良くないですね。食べすぎてしまうと食後は眠くなります。これは幾つになっても同じなので。今、食事を軽めというか平日は穀物を減らしているので前よりは少し軽めです。それでも気をぬくとついうたた寝してしまいそうになるので、食べすぎは年齢に関係なく、ダメなんでしょうね。

 

でわかったこと。

集中力が続かない

下図に表現してみたんですか、若手エンジニアなら集中力が一定のスパンで発揮できるんですよ。ただ、パフォーマンスは経験知と形式知のストックが少ないだけなんですね。

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一方、50代のエンジニア(が普通に仕事をしてきているなら)は、経験知と形式知はあるものの集中できる時間が短い。圧倒的に短い。集中できるアドレナリンがバンバン出る仕事だったらその時だけは集中力も続くのですが、そうした興味がわかない普通の仕事だとダメです。続きません。

では、なぜ続かないか。

視力が縮退運転

 圧倒的に視力が縮退運転していて、眼球の奥が痛い。焦点が合わないからガンバてみるとますます疲れてしまうんですよ。

好奇心が高まらない

 それなりに経験しているので作業に対して「楽しそうだ」と思える仕事が滅多に見かけなくなるんですよ。

まさに作業になってしまう。あー、これはこうやって、そうだな、2時間くらいで終わるな、的な。

好奇心が高まればそんなこと考えずに「楽しー」って思うわけです。おじさんエンジニアになっても。

体力がない

鍛えているおじさんは少ないですもんね。体力があるからこそ、集中できる姿勢も保てるし。

対策

 目はね、対策できるんですね。老眼鏡とか。それが嫌ならビタミン剤です。もう、これ一択ですね。

 

 どうしても痛いときはこの魔剤。

 これは点眼すると眼球が調整している感じがしますよ。

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体力はフィットネスジムに行けって感じですが。

 

でも、これだけやってもシエスタモードの運転を始めるんですよ。楽しくないので。

一番なのは「楽しー」って思うお仕事なんですが、そんなのばっかりあっても身がもたないですけどね。

プレッシャーが適当にあって、初めてで、責任が重い的なお仕事だと。