一度手にしたお金は、売り物で渡せ


NHK関ジャニ∞の明日はどっちだ!で出ていたフルーツ訪問販売と同じ会社の人とばったり出会う
丁度、民家から通函を抱えて出てきたところで、第一印象は豆腐屋でも配達して出てきたのかと思った。で、第2回の放送の場面を思い出して、「そうかも!」と。

で、目が合ってね。向こうからサッと寄ってきて、フルーツの訪問販売しているとアピールしてきたので、確信して、「NHK関ジャニ∞の番組に出ていたのでしょ?」と。あの放送から良く言われるそうで、宣伝効果は高かった様子。通函をちらっと除くと小振りのみかんとあんぽ柿と何か。それ持って訪問販売と言うけれど、今風の行商なわけで。


行商は、おばあちゃんと相場が決まっていたけれど
随分前、早朝の中距離電車でよく見たな。おばあちゃんばかりだったけど。みかんが5kgとあんぽ柿、パックの何かで7-8kgか。この売り子さんは、二十歳前後の女の子。丁度昼くらいだったから、あと数時間くらいで売り切らないといけないのかな。行商のおばあちゃん達は早朝だったけれど、この子らはそれほどでもないのかも知れないがそれはわからない。

いまの景気を映しているのだろうな。2000年までなら会社員になるのが当たり前だったけれど、それ以降、会社員にさせないようにフリーターが自由だと煽ったり、今ならノマドだと煽って個人事業主に気を向かせさせたり。そうやって、企業が果たす雇用の面の社会貢献や企業存続の責を蔑ろにしていることを。

どれを選択するかは彼/彼女の意思だが環境はそうそう変えられないから、気づいたときにはもう手遅れなことも多い。そんな中でも彼/彼女らは頑張っている。


トークの楽しさ
やっぱり一生懸命やっている若者と話すのは、ちょっとした時間であっても楽しいものだ。だから、言い値では買わないけれど、無理は言わないで、且つ、必要なら買いたい物は買う。

そうは言っても、みかん5kg見立てで、ひと箱3000円。高いよね。みかんが箱で3000円。今思えば、旬の走りだから高いのは当然かもしれないけれど、そんなことはいちいち気に掛けないし。また、催しの中の昼の給仕だったので箱なんて持って戻れないし、みかんに3000円は高いから思わず、「高いな。」と。で、売り子は半分でいいから、と。

ビニール袋に入れると。消費税はまけると。半分なので1500円。丁度、みかんを頼まれていたことを思い出したので「じゃあ、もらう。」と。で、袋にバカバカいれるのでどう見ても半分以上入っているから、「多すぎだよ。」と。こっちもこれからまだ半日持ち運ばなければらないので。背には三脚と手にはビデオカメラや何やらが詰まった手提げがあったし。


個人情報調査
若者に限らず、やり取りの間に適当に話す話題といったら、出身地を聞くこと。これは尋ねる相手に関心を持っているのだよというジェスチャでもある。
売り子の言葉が関西弁で話すので、「関西?」「どこ?」と訊いたら「難波です。」と。内心、「(難波かー。独特の空気あるよな。)」と思ったけれど、言い方を暗くして行商している女の子のヤル気削ぐ気はないので「難波かー。」と。


一度手にしたお金は、売り物で渡せ
で、2000円渡しす。商売は上手いようで、「あんぽ柿どうですか。」「あまり食べないから。」頭の中では柿のなますを思い浮かべたけれど、特段好みじゃないので要らんな、と。

「この漬物どうですか。創業100年?の岐阜の漬物屋さんです。」「なんぼ?」「630円ですが丁度で。」みたいな感じで話をトントンと進める。こっちもアヤシイ関西弁で「ほな、それで。」と。

一度、手にしたらおつり渡さないで、品物で売ってしまう。えらいなと感心。「いらん。」と言われたら、それはそれでいいのだ。言わないと売れないのだから。言うのはただ。言わなければ機会損失。商売なのだから、気持ちよくいってしまって、結果を気持ちよく受け入れる。どうしても買って欲しいのなら、これこれでと事情を話すことも試みて。

世間は、鬼ばかりではないのだから。だから、騙さないこと。嘘をつかないこと。


うちは、この路上のずっと行って、まがった先の入ったところだから、家まで来てくれたら、一緒にいたワイフもときどきは買うんだろうな、と思ったけれど、そういう偶然があったらいいなと思ってみかんときゅうりの漬物を手に提げて昼に行ったのだ。