プロジェクトチームでケプトをするとメンバ間のコミュニケーションを深められるハッピーループに


プロジェクトチームでケプト(KPT)をやったときのことです。SEリーダには週末の午後に「ケプトをやってみたいので時間頂戴な。30分くらいでいいから。」とお願いしてメンバの時間をもらうことにしたんです。SEリーダを含め、チームのメンバは誰ひとりケプトはやった経験がありませんでした。内心思いましたね。


“メンバの価値観を変えられるかも”


って。何事も、初めての経験をするってワクワクしませんか。ワタシしますよ。それが未経験で不安なドキドキなときもけれど。いや、初めてっていいですぅよ。勿論、はじめてが思ったように上手くいかなくて、2回目、3回目って試行錯誤して自分の思い描くようなイメージでできるともっといいですけどね。

呼び方 ケプト。Keep/Problem/Tryの頭のKPTを取ってケプトと呼びます。
使用方法 ある期間の作業の終わりにその作業をふりかえるときに使用します。ふりかえる期間にやってよかったこと、二度と続けたくないこと、他の人の良い所を挑戦してみたいこと、をトの字を左右逆にしたフォームを使って書き出します。



     


事前に予告したんですね。メンバに。「ケプトをやるので時間ください。」って。で、まぁ、メンバのみなさんタスクがあるので仕方がないんですがケプトの時間までにグーグル先生に尋ねた人はSEリーダだけでした。ただ、一応、ケプトで「どうだったかな。」と考えてはくれたみたいです。


ケプトをやるときに注意するルールがあって、

  • 些細なことでもいい。
  • 批判しない。


とか、お作法があります。ワタシ、自分ではわかってたのでつい端折ってしまってはじめようとしたとき、SEリーダが「お作法あります。批判しないでね。些細なことでもいいんです。」と助けてもらいました。グッジョブです!


はじめてのケプトだったので、順番にメンバにKeepからこの作業でやってよかったことを出してもらいながら適当にプロジェクトとしての公開できる範囲での補足説明や、プロジェクトの作業への向き合うときの取り組み方の指針や合いの手を入れつつやったので予定時間は超過してしまったのは貴重な時間をディスターブしてしまったので申し訳なかったんですが、そこを飛ばしてしまうとただの感想大会になりそうだったので、敢えて時間の縛りは優先順位を下げてやりきることにしました。


Keepでよかったと多くの感想が出たのは“以前より話すことが多くなったことで情報の共有が出来て良かった”でした。これ、狙ってカンバンを強制的に導入したり、朝会をやったり、担当業務を固定化しないようにアサイメントを替えられるようにしたり、と「これまでしてきたことの現れだなぁ。」と思って少しうれしく思ったですヨ。


Problemもいくつか出てきましたね。やっぱり、コミュニケーションと言えばひと言で片付いてしまうんですが、プロジェクトで作業をするときの段取りが変わったときにあやふやなところがあって、また、そのあやふやな手順が第三者の管轄であったところでその曖昧さが作業効率を下げたので「そのままじゃ嫌!」ってなことで。たしかにそうです。その手順があやふやであったから直前に整理したんですがやっぱり第三者とのやり取りが期待するスピードが出ていなかったところにフラストしたようです。


Problemで嫌なことが出てきたら、それはTryで変えるかどうかをチームで決めます。なので、Problemでは嫌なところを聞くまでにしておきます。進捗管理ミーティングの運営と同じように、problemという実績を聴いているのですから、“解決策はその後で”です。


Tryは、他のメンバがやってよかったと言っている“Keep”でやってみたいことや“Problem”で嫌なことを変えたいことを書いていくと思えば良いです。これも、書き出したことを全部やるわけでもないので兎に角些細なことでもいいので書き出していきます。特に、チームの作業手順などチームに関わることは、具体的にしておくとふりかえりの後のチームのカイゼンポイントが「これなんだっけ?」となるのを防止できるので気を付けておきたいところです。


ただ、具体的にしておくのは例えば作業手順の変える修正作業ではなくて、どこをどう変えるという概念レベルなので修正作業まで足を踏み入れないようにしてください。それやっちゃうと、時間が足らなくなってしまうので。


こんなこんなで解説とか補足説明とか合いの手とかを入れたので予定していた時間は大分超過してしまったんですが、チームの挑戦することもちょっとしたことからちょっとしたタスクまで明らかになったのでやった甲斐はあったかと。


メンバがKeepでコミュニケーションが良くなったと言っていたんですが、このケプトはそれを“実感”する場でもあるんですね。そして、その場を繰り返していくことで、そのコミュニケーションが深まるわけです。


で、このケプトをメンバ主導で続けてもらうことになったのが一番良かったなー、と。