ワタシがtracを使ってWBSをコントロールしようと思うに至ったか、について


これまでワタシが何等かの形で、−−プロジェクトのメンバ、プロジェクトマネジメントオフィス、プロジェクトマネージャ、マネージャ、レビューア−−、などの機会でプロジェクトのWBSを管理するツールがなんだったかと思い出すと、定性的でしかないけれど90%以上がexcelで作られ、若干がMicrosoft Projectでほとんどを占めていて、それ以外を見かけることはないですね。excelもズッコケそうになるくらいの大雑把なものやマクロを組んでガントチャートまで表示するリッチなWBSまであったりと、その使いこなしのレベルがバラバラで第三者的に見るだけであれば夫々の違意を知ることが出来て大変楽しめます。


WBS管理ツールの好き嫌い
WBS管理ツールといっても、大別してというか、excelMicrosoft Projectのどちらかですが、ワタシの嗜好というか好みがあって、共通的に好みではないところが、WBSを記載するデータがファイルになっている、と言うところです。これが好きじゃない。


なぜかと言えば、WBSはプロジェクトメンバに包み隠さず共有されて、閲覧され、いつでもほぼ最新の状態を保っていることが必要だと思っています。それを1つのファイルで維持するのは土台無理な話だと思っています。なら、subversionに入れておけばいいとも思うことはないけれど、沢山のWBSが1つのファイルになっているということは、1つしかないリポジトリがパーになってしまう、と言うことでもあるのですよね。


あと、1つのファイルなのでいくらsubversionに登録していてもファイル名に日付やらバージョンの枝番やら接尾辞をつけて幾らでも派生のファイルが作れてしまうのも好きではないのです。WBSはプロジェクトが完了するまでは更新続けられるISO的には文書だと思っているので派生で分家のWBSファイルが出来ていくようなことは「いかんなーと。」議事録のような文書ではなく記録なら、日付が接尾辞に入ったファイル名が出来ても「当然ですよね。」と思いますけど。


もう一つ。安易にメールに添付しちゃうんですよね、1つのファイルだと。で、それがまかり通るとメールが添付だらけになる。添付したから見ておいて。で、嫌なのは、メールをクリックして開くのがムダな作業で嫌いなのです。それがsubversionのリンクならいつも同じところにあるので更新されたと聞けばそこに直接アクセスして開けばいいのでまだましですけど。


結局何が好きではないのかと言えば、ファイルになっている、派生ができる、サルのようにメール添付する、メール添付をクリックするのが面倒というかムダな手間、というか開かないとわからないなんて最悪!、というところです。


個別のツールの話をすれば、Microsoft Projectは多機能すぎてワタシが使いこなせない。例えば予定していたタスクの予定開始日と予定終了日より前倒ししてやってしまうと勿論、実績の開始日と終了日が変わります。で、そのまま入れて後続のWBSがあると後ろがガッツリとずれちゃうわけです。ほんと、使えねーな>自分。ツールにもてあそばれている。


tracで好きなところ
tracで好きなところは、excelMicrosoft Projectで好きでないところの反対部分ですね。


1つ目には、ブラウザでアクセスすればみられる。excelの最新のWBSのファイルを探す必要はないのです。最近のブラウザなら利用頻度の高いURLは新規タブを開くとアイコンが勝手に作られるので新規タブを開いてクリックするだけでまっしぐらです。


2つ目は、1つのWBSが1つのチケットになっているところ。1件1葉とも言いますね。一つひとつのWBSが独立しているので、担当者が好きに更新掛けられるのです。ファイルだと競合するのでこうはいかないです。


3つ目は、見たい観点でビューを作ることができる点です。工程別、担当者別、環境別など好き勝手に作れます。これがいい。例えば朝会で各自が昨日やったこと、今日やることを話すとき、担当者別のビューをプロジェクターに表示しながら確認することもできるんですね。


ビューを足すことも、WBSの情報を登録することもブラウザベースで楽ちんです。あと、WBSの情報を「デフォルトの項目に足したい!」と思ったら手軽に追加できることもいいですね。


で、項目が手軽に追加できるし、そのWBSのタスクをやっているとメモっておきたいことがままあるのですがexcelだと経緯とか残しようがないんですね。別にメモを残そうとすると、そうした経緯をどこに保存しておくのとか、いろいろと面倒です。それがtracなら1つのWBSが1つのチケットなのでそのチケットに残すことができます。製品ベンダへのQAなら回答もテキストで残せるし、URLだってファイルサーバのパスだって残せる。そういったプロジェクトを日々やっていく上での些細な情報を残しておけるのは、後になって切羽詰まったようなことが起きたときに関連するWBSをみることで記憶に頼らず思い出すことができるんですよね。記憶の外部ストレージとしても使える。これ、メンバが習慣化してくれると、言った言わないがなくなるんです。全部、記録ベースで会話出来るようになる。文化が変わりますよ。


でも、やっぱり一番いいのは、いちいちファイルを開かなくていいところですね。コレが一番好きですねー。