課題管理は効率的にしよう!


いろいろなプロジェクトを様々な局面でレビューや困っていることの相談で話を聴くとき、必ず見せてもらうのが「課題管理一覧」です。ワタシはこの「課題管理一覧」に更新される情報の量と鮮度を見ることで、プロジェクトの実態が現れると考えています。ちょっと、オカルトっぽいですけど、割と当たるのでオカルトっぽくても推察できるならそれでいいや、と。


課題管理フォーマットの例
課題管理一覧では、下表の項目をフォーマットとして決めて、課題の発生都度情報を更新することになります。

表題→ 項番 大分類 小分類 課題 発生日 記入者 担当者 関係者 解決期限 検討状況 解決日 備考
説明 課題の通し番号
原則遠し番号で採番したら変えない。
大分類は、システム別や担当するチーム別などで分けるコトが多い。 小分類は機能分類、事象分類で分けることが多い。 課題が発生した日 プロジェクトの課題、ToDoなどの概要を書く。
5W1Hなどを用いて具体的にプロジェクト関係者が誰が読んでも理解できるように記入する
当該課題を記載した人の名前。組織が違う場合は組織名称も記載する。 課題を主管する人の組織名と名前。 課題の担当が複数の組織に跨る場合の組織名と名前。 課題を解決しなければならない日 課題の検討、対応状況を記載する。 実際に解決した日。プロジェクトの会議の場で解題の対処結果を確認し合意したうえでクローズする。 メモなどを記載する。


表題の名称はそれぞれの組織の文化で少しずつ違ったりしますし、管理メッシュが細かければ分類などは更に分割されることも多いです。


検討状況の記載
「課題管理一覧」の「検討状況」欄の記入は、ただ、検討している内容や進捗を記載すればいいわけではありません。では、何に気をづけた方が良いのでしょうか。


それは、記入する検討状況、進捗状況の月日を記載することです。

検討状況
○月△日 ログの解析結果は、……。


これは経緯を時系列で整理しておきましょう、と言うことです。なかなか課題が解決に向かわない場合、過去の経緯を時間軸で記憶に頼らず記録から終えることが肝要になります。人の記憶ほど当てにならないので文字情報として残しておきましょう。


解決期限のトレース
「解決期限」は、ただこの日までに解決したいなー、っていう日ではありません。その日までに解決しなければ後工程に影響する期日です。だから、何らかの結果を得て、その結果を共有し、次のアクションにつなげなければならないのです。


トレースの方法としての視点は2つあります。1つ目は、発生日からの経過です。例えば課題が発生してから2-3週間も何も進展がない状態は問題ないのか、のように課題解決の日までに余裕があっても何もしていない状態でいいのかどうかと言う視点で課題を確認します。


2つ目は、解決期限の前2週間になったら課題解決日までに解決する状態にあるのか、収束の可能性の観点で確認します。


課題管理の更新
課題管理一覧はexcelなどのスプレッドシートを使うことがまだまだ多いと思います。excelで一元管理する場合、更新の運用で決めておきたいルールは一つです。


それは、課題管理一覧を更新、閲覧する人は誰も、どれが最新版の「課題管理一覧」であるかを判別できること、です。課題管理一覧でexcelを使うなら、subversionのような構成管理ツールを入れたうえで、最新場をいつも閲覧、更新できるようにしておくことが必要になるでしょう。excelsubversionで管理するにしても、マスターとなる「課題管理一覧」のファイルは、ファイル名に日付やバージョンを入れずにsubversionの機能を利用して履歴管理をしておくことを徹底した方が良いでしょう。


会議の資料などとして残しておきたい場合は、その場合の資料は記録になるので複写したものを一式別のものとして保存しておく運用になるでしょう。


ワタシ的には、excelは使わず、tracなどのチケットシステムのフォームを管理項目を追加して、分類に必要な項目を足すなどした上で、ビューを作って一元管理することをお勧めします。チケットなら、夫々の担当する課題を別々に同時にアクセスできるからと、何時でも最新の状態をプロジェクトの関係者が閲覧できるから、です。