組織の非効率は文化としての透明性に起因するかも
マネージャになったときの話。
マネージャになると担当する組織が事業として成り立つように様々な管理項目をコントロールするのがミッションになります。それまではプロジェクトマネージャだったので、自分が担当しているプロジェクト「だけ」管理をして入ればよかったんですが、マネージャになった途端そうはいかなくなったのです。例えば、プロジェクトマネージャならプロジェクトのコストを管理していればよかったのに、マネージャになった途端、担当する組織単位でのコストを管理しないとけなくなります。
ロールが変わると管理メッシュというか視野を広げないといけなくなりました。
組織であるがゆえに事業を成り立たせないといけないのですが、引き継いでみたらどうなっているのかよくわからない状態でした。いや、違いますね。プロジェクトマネジメントやコストマネジメントのスタイルが違った、と言う方が正しいかもしれません。どちらが良い悪いではなくて、スタイル、主義主張、好き嫌いの次元です。だって、それまで組織運営で問題があったわけではないのですから。たぶん、
管理されているけれど、実態と違うような気がした。
プロジェクトのコスト管理はされていたのですが、スタイルが違うということもあって数字上とプロジェクト上の数字がイコールなのかがどうにもしっくりしないように感じたんですね。伝わりにくいですが。プロジェクトのメンバアサインを基本的に最初から最後まで通してアサインしようと配慮するスタイルではなかったので、プロジェクトへのメンバの参加離脱がワタシの感覚ではものすごい頻度で行われている状態でした。嫌な言い方をすれば必要都度アルバイトのように使っていたんです。よく言えば、そのスキルを必要な時だけ活用してた、です。
これって、組織から見たらロールをステップアップさせたいという育成目標の障害になるモノなんですよね。やっぱりスタイルの違いなのかもしれませんがワタシにはクリアに理解できなかったのでした。
なので、プロジェクトへのアサインは、コアメンバは原則プロジェクト期間を通してアサインするようにしました。いや、これって普通じゃん?って思うかもしれないですけど、ところ変われば、です。
あと、誰が何を出来る=どんなスキルを持っているかもわかりませんでした。なので、一人ひとり席を回ってインタビューして作ったものが「スキルマップ」です。
誰がどんな技術を持っているのか、その技術レベルはどのロールを任せられるのか。実際どのロールを経験しているのか、その経験回数は、などなど。
出来たタイミングで全体で集まる場を設けてそれを見せたらメンバから発せられた言葉でへーと思ったのは、ワタシより仕事上の付き合いの長いメンバ同士でもお互いの保有しているスキルやスキルレベルは実際に一緒に仕事をしてその時に活用したスキルじゃないと知らない、ということでした。
これで、それまで声の掛からなかった仕事にアサインされるメンバがいたのはリソース活用の最たるものだったかもしれません。
仕事では、情報の公開が制限されるものでなければ原則透明性が確保されないと実は非効率だったり、課題解決に至らなかったりとするのでそうした傾向がないか気にした方がいいですね。