マネージャになったときスキルマップを作った理由


いわゆる生え抜きでマネージャになったとしても、メンバ全員と仕事をしたことがなければ一人ひとりのメンバの基礎スキルのレベルや持っている専門的な技術スキルとレベルに位置しているかはわかっていないものです。況してや生え抜きでなかったらそりゃ把握しているなんて無理ゲーです。


マネージャになったときにしたことは、組織の非効率は文化としての透明性に起因するかも のエントリで書いているのでどうやら1年半も前に触れていたようです。


そのうちのスキルマップについて。


スキルマップ
スキルマップのイメージ。表中の記号の凡例を説明は次のとおりです。

名前 提案 PM SEリーダ solution A solution B solution C
阿藤 _ _ _ _
加藤 _ _
佐藤 _
台東 _ _ _
内藤 _

◎:提案リーダ、PM、ソリューション知識などの専門技術を持ち、リーダのロールができる
○:提案やソリューションの技術的な知識を持ってリーダを担うことができる
△:経験が少なくリーダの補助が必要
_:未経験


メンバの並べ方はご自由に。あえてPMなどロールでまとめて書く利点はないです。逆に、担当のメンバからすると見えない壁を感じてしまうかも。


評価は実績をベースに。マネージャになったばかりだと知っていることより知らないことの方が多いですから、知っている情報でたたき台を作って、一人ひとり経験を聞いて回ると良いです。


1つは会話により、今は使い機会がないけれど持っている専門技術を知るきっかけになったり、インタビューするメンバの自信のほどがうかがえたり、これからやってみたいことを聞けたりするから。


表を作成するときの工夫点
スキルマップを作るときに工夫できるポイント。

  • メンバの人数とスキルの種類の数量の多さで行列を入れ替えると良いです。
  • 表の横軸のスキルはロールから技術に並べると見やすいです。
  • 専門技術の領域は、類似する技術をまとめると見やすいです。同一ジャンルの技術を並べるとか。


スキルマップの使い方
ワタシの場合は、これを作り、メンバ一人ひとりにマークが本人の認識とあっているかを確認した上で、チーム内で公開します。特にビジネスのスタートとなる年度始めに毎回更新版を公開します。


このスキルマップをマネージャが使うときには、業績評価の結果ではなく、プロジェクトチームを編成する際の情報として使ったり、ビジネスのどの分野に注力していくかを示すときに重点領域に印をつけ、スキルの増強を促すために使います。


メンバのうちPMを担うメンバは、担当プロジェクトで誰をアサインしたいか検討することができます。また、ソリューションで◎のついたメンバはオーナとしてその領域のビジネスオーナとしての技術的な範囲での責務をもたせます。最新技術を追いかけたり、メンバのスキルアップを促すような活動を担わせます。


サブリーダクラスや担当レベルのメンバは、自分の関心とビジネスの動向からどの技術エリアや技術レベルが求められているか鑑み、自分の取り組む技術の方向づけに利用してもらいます。


スキルマップの効果
第一に、メンバが保有している技術を俯瞰することができるのでワタシは大助かりです。いま、何ができて何ができないのかがわかるようになります。ビジネスの課題、これからどこにリソースを配分するか、そうしたことがas isでわかるし、to be のために何をしていけば良いかがわかります。


PMなどのロールを担うリーダは後進育成を意識するようになります。だれを伸ばすかなどなど。


メンバからするとだれに相談すればいいのかが一目瞭然です。特に新人や経験の少ないメンバはなかなか相談しにくいものです。プロジェクトチーム以外でも聞けるパスを作っておくことがポイントなのです。