シンデレラ・プロジェクト
シンデレラ・プロジェクト。
それは、終電の時間までギリギリまで仕事をしていても、終電のタイムリミット前にはプロジェクトルームから退出させてた上で施錠して、電車に飛び乗るようなプロジェクト。
駅の階段で靴を落としてしまうと、電車の中で痛い視線を感じてしまうから回収するようなことにはならないように走りながらも注意が必要なのです。
シンデレラ・プロジェクトはプロジェクトであるが故に、納期までシンデレラは終電に向かって走らなければなりません。
継母とその子達がいたプロジェクトに連れてこられてたプロジェクトはまるでレスキューに入ったようなプロジェクトでした。そうした環境でしたから、最初そのプロジェクトルームでの家事は全く統制が取れていない状態でした。それをどうにかしろとシンデレラは要求されるのです。
継母の子らは、シンデレラに厳しくコトを当たります。プロジェクトルームは混乱している最中ですから、お目付け役のお姉さま達のキビシイ視線に日頃の立ち振る舞いを指摘事項として非難されます。
シンデレラは毎日プロジェクトルームで終電ギリギリまで働きます。
あるとき、データセンターでの作業があること知らされます。あのきらびやかなLEDの光る場所で踊ることが出来る舞踏会が開かれるのです。
でも行ってみると、継母の子らは口で言うほど上手に踊ることが出来ません。なぜなら、立ち振る舞いがなっていなかったからです。その舞踏会場では、足を踏みあったり、狭いスペースに偏ってぶつかってみたりと、まったく統制が取れていませんでした。
プロジェクトルームに戻ると継母の子らはシンデレラに当たり散らします。なぜ、わたしたちは上手に踊れないのだ、と。
シンデレラはそこで考えました。舞踏会ですからきちんとステップを身につければいい、と。
ステップを身に着けることで足を踏むことはなくなるし、舞踏会上のスペースの濃淡は踊る本人たちが周りとの距離を自然と取るようになるので整然立ち振る舞えるようになるものです。
ステップを身に着け、整然とふるまえる様になるとそれに伴ってアウトプットであるパフォーマンスを出せるようになります。お目付け役のお姉さま達もパフォーマンスが出ていればお小言は少なくなりますから、自然と指摘事項に対するアクションプランも減ります。
さすれば、お仕事も予定どおり終わりますから今まで遅く帰っていたのとは真逆に定時にはプロジェクトルームから解放されることになります。最初は今まで散々長い間終電に飛び乗っていたのですから戸惑うのです。それでも定時には追い出し、明りを消して帰途につかなければなりません。
なぜなら、そうしなければガラスの靴を拾った王子様がシンデレラを探し当てることができないからです。