一番やさしい課題管理 −課題解決のアクティビティは解決する意思を示す−


前回の 一番やさしい課題管理 −課題の状況を記録する のおさらいは、課題状況を時系列に記録する、でした。


ところで、課題管理はなぜするかをもう一度前の記事から引っ張り出して確認しましょう。

課題は「解決しなければならない問題。果たすべき仕事。」でした。その解決しなければならない問題や果たす仕事をWBSとは別の管理下におきますから、管理するための情報を収集する必要があります。


課題を解決するためにWBSとは別の管理下におき、管理するための情報を収集しますが、課題を解決することから考えれば情報を収集するそれだけではなく、解決のアクティビティがあることがわかります。


それを踏まえて、現状の課題一覧を眺めてみましょう。

【例9】

項番 概要 起票日 起票者 希望解決日 対応者 課題の状況
1 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 ワタシ 5月2日 飲みに行ったため読書が完了しなかった。
5月3日 3日前半の出来高が予定の1/4の半分の1/8だった。
2 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 カノジョ 5月2日 プロマネ本を選べず予定完了日を超過した。
5月2日 アドバイスをもらうことにした


課題一覧の「課題の状況」は、課題が解決するまで何を書くかというと、

  • 課題発生時の課題の詳細な情報
  • 課題解決のためのアクティビティとその結果


を記録します。こんな課題がある、課題解決の策を打つ、結果の良し悪しを書く。結果が期待はずれであれば、次善の策を打ち、その結果を記録する。これの繰り返しです。


その観点で上表をもう一度見直し、一部を書き直します。

【例9】

項番 概要 起票日 起票者 希望解決日 対応者 課題の状況
1 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 ワタシ 5月2日 飲みに行ったため読書が完了しなかった。(←これは事象の詳細)
5月3日 前半4時間の出来高を計測する。
      3日前半の出来高が予定の1/4の半分の1/8だった。
      出来高は予定の1/4の半分の1/8だったが、精度を得るために後半を計測する。
2 プロマネ本の読書が遅れている 2015年5月3日 ワタシ 2015年5月4日 カノジョ 5月2日 プロマネ本を選べず予定完了日を超過した。
5月2日 プロマネ本に対する期待を確認し、有識者から書籍選びのアドバイスを得て選択する
      アドバイスをもらうことにした


書き直した方が課題解決に対する意思を感じられませんか。


なぜ、課題を解決しようとする意思を感じられるように書き直したかというと、課題を解決しなければ「困る」からです。そのためにも課題の対応者が課題の当事者であることを意識して「解決のための行動」を取ってもらわなければならないのです。


何事も、一つひとつ着実に進めて片付けていく、ということが大切です。