エンジニアにプログラムを書かせるようにプロジェクトマネージャの遂行力を問う方法がない


ドワンゴでは 非エンジニア対象のプログラムの知識を問う試験があるらしい。

非エンジニアも対象にしたプログラミングの知識の試験とはいっても、ドワンゴのエンジニアが出す問題のレベルがそんな生易しいわけがないのだが、相当、みんな勉強したらしく、レベル1については相当な合格者が出そうだとのことだ。
ドワンゴの準エンジニア手当という制度が面白い −


この記事を読んでいて、プログラムの知識を問うのだろうけど、出題はつぎのどっちだろうと思ったんですねぇ。

・プログラム知識を問うので知識を確認する選択、筆記等の試験
・プログラム知識を出題に対する回答のプログラムを作成して回答する試験


たぶん、後者なんだろうと思います。エンジニアの知識を問うのですから使えないと意味がないわけで。


ところで、プロジェクトマネージャを第三者が認定する試験は知識を問う試験ばかりです。情報処理試験然り、PMP然り。あぁ、情報処理試験は知識を選択と記述で問うているか。


プロジェクトマネージャに必要とされるコンピテンシは、「基礎スキル」「技術スキル」であり「技術スキル」は「方法論・知識体系」「技術適用」が必要だと システムエンジニアに必要なスキルバランスが 技術スキル<基礎スキル に変わるとき  で述べているとおりです。


明確に知識として問えるのは、「技術スキル」だけではないか、と思います。「基礎スキル」は、「マインドセット、意思伝達、思考力」ですから、知識として問うより、知識として知っていてそれを行動として結び付けられるか、それを問いたいのですよねぇ。


厄介なのは、知識として知っていても知っていなくても経験で何とかなってしまうところもある。「基礎スキル」の「マインドセット、意思伝達、思考力」を体系的に習得していなくても、経験を汎化する力量があれば自己流でスキルを習得していることになるからです。そして、それが成り立っていないと過去の成功しているプロジェクトを担っているプロジェクトマネージャが存在しないことになってしまうから。


技術を知識として知っていて、それを適用できるスキルを持っているかどうかは、プログラムとして動かすことで確認できる。でも、プロジェクトマネージャがプロジェクトマネージャとして期待するパフォーマンスを発揮できるかどうかはすっかり抜けているのです。


もう、これは徒弟制度で免許皆伝とするか、誰かが推薦して信用保証するしかないのかもしれないです。でも、プロジェクトマネージャはどこの組織でも常時不足しているのが実情でしょうから、推薦なんていくらでもしてしまう。闇と言うか大人の事情と言うかでもにょもにょしてしまう。


それを、適用できるスキルを問うことの補完で面接をするというものありますが、これも 印象が9割 ですから、あたりの良い候補者は有利に働きますよねぇ。プロジェクトマネージャの仕事は、人との会話が8-9割なのだから、なんていわれてしまうと、変なほうにバイアスがかかってしまうような気がして。


結局、プロジェクトマネージャに必要な「基礎スキル」の「マインドセット、意思伝達、思考力」の遂行力を含めた評価って無理なんでしょうか。


いやいや、知識の範囲はできるんですよ。qualifyの観点ではできます。保有する知識を問うだけですから。でも、プログラムを書くような、遂行力は試験のように問う方法がない、のではないかと。


ここで、それをカバーする方法を提示できればかっこいいんですが、それはないんですよねぇ。はい。