チームが成立する基準を評価しないとプロジェクトは失敗する
チームが機能していないプロジェクトを立て直すとき、チームの状況は様々だけれど、同じような特徴を持っていることが多いのです。
- 機能不全になっているリーダに判断を仰いでいる
- チームとして必要なスキルセットが不足している
- チームに必要なリソースが提供されていない
- プロジェクトの情報が個々人に分散している
これらの4つの事象はいくつかの問題を孕んでいるのです。
プロジェクトチームというよりはプロジェクトを始める前提から満たしておらず、プロジェクトチーム(チームが成立していないのにチームと呼んでいいのか)としては機能不全であり、qualifyできない状態であるから始めてはいけない。これは、項番2と項番3が該当します。
プロジェクトを計画するにあたり、チームに必要なリソースは人的、物理的、情報的に充足されていることが「プロジェクトの遂行を計画的に行う上で最低ラインですから何か欠けてもプランBを検討せざるを得なくなります。最低のラインを満たしていないのであれば、プランBとしてのリスク再評価が必要になるし、そうした元々必要とするリソースを削っていくことはプロジェクトを自ら難しくしてリスクを増やしていることを理解しなければなりません。これは項番2と項番3が該当します。
更に言えば、プロジェクトを遂行する上で計画に基づく役割、これも人的なものもあるし、物理的なものもありますが、それらが機能しなければ、計画時との差異を明らかにし、対策を立てなければチームは機能を欠如したまま失速することになります。人的にはロールが機能していなければその役割がボトルネックになるため不全な状態になりますし、リソースを流れる情報が偏ったり、隠蔽化されればオーバヘッドが生じ、計画していない事態が起きることになります。これは項番1と項番4が該当します。
たった4項目の事象のうちのひとつでもプロジェクトチームに存在するのであれば、チームは持っているポテンシャルを発揮することは無くなります。チームが抱える課題をカバーするように可視化されないまま運用で成果をアウトプットしない作業として続けられるのです。
チームが成立する基準に達しているか。それを評価し、不足しているところをメンバの良心に期待せずに対策することがチームを機能させるために必要です。
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