チームにマネジメントを移譲する前に

プロジェクトマネージャでも組織のマネージャでも、目的達成のために集めたメンバと業務活動を取り組むときに、トップダウンで箸の上げ下げまで目が届かないので

「メンバに自律して能動的に動いて欲しい」

と考えるものです。

プロジェクトマネジメントが指揮命令系のトップダウンの運営から調整型のプロジェクトマネジメントのスタイルに移って大分経ちます。少なくとも90年代には調整型のプロジェクトマネジメントで超大型のプロジェクトを運営していたチームがありました。

         従来の業務マネジメント

マネージャ +ーーーー+ーーーー★ーーーー+メンバ

         新しいの業務マネジメント

マネージャ +ーーーー★ーーーー+ーーーー+メンバ 

 冒頭の場合ではプロジェクトマネージャが目が届かないからという後ろ向きなというか物理的にプロジェクトマネージャのリソースが足らないから、という起因からですが、これを能動的に考えてチームや組織を運営する場合、どう行った注意点があるのでしょうか。

必要なリソースは明確か

チーム(や組織)を運営して(プロジェクト)マネジメントをするためには、その運営の目的を明確にすることは当然としても目的達成に必要なメンバのリソースの特定が必要です。所属しているなら誰もいいというわけではないです。目的達成のための戦力となるリソースでなければ参画する必要がありません。逆に言えば、目的達成のために必要なリソースは明確である、ということです。

いきなり変える前に

 目的達成のためのリソースが揃えられたとして、ではその戦力となるリソースを使用する方法は考えられているか、も大事な観点です。

でも、トップダウンでの運営では手に負えないのなら、調整型かそれに変わる方法で運営しなけれななりません。どのようなやり方をとるにしても、リソースを戦力として使うことは変わりないので、結局は、マネージャとメンバの役割分担の線引き、言い換えれば権限のデレゲートを明示的に変更することと実際の運営と役割分担に応じた責務を調整するスライダーをどこで止めるかという考え方が必要になります。

制度設計の狙いを話す

 マネージャとメンバの役割分担の敷居をスライドさせる際には、勝手にマネージャ側から変えても期待する役割を果たしてくれることは期待できません。

  • なぜ変えるのか
  • 期待は何か
  • 貢献の評価のベンチマークとする基準は何か

 

を説明し、移譲した際には主体となるメンバが理解し、行動できなければ変更しても結果は見るまでもないのです。

不安を解消する

今までトップダウンでのマネジメントしか経験していないメンバは、いきなり権限移譲れて、業務の主管としての責任を負わされることに戸惑いや不安を覚えるものです。なぜなら、自らが経験した以上の責任の範囲を超えた役割をいきなり期待されるのですから。

         新しいの業務マネジメント

マネージャ +ーーーー★ーーーー+ーーーー+メンバ 

           +ーーーー

     ここの部分の不安を解消する必要がある 

それでもマネージャは権限移譲と作業の主体のスライダーを変えたい理由があるのですから、これから主体となるメンバの不安を解消してあげなければ、不安の中での業務は期待する結果も同様に不安の真理の上でアウトプットされた品質がどうなるかまで考えておかなければなりません。

それを解消するのであれば、制度で不安に思う従来の役割分担からの変更から生じる差分については、新しい制度での役割分担の変更で生じる差異についてはフォローができる体制をとるなどの措置をすることと、変更点での失敗は制度に基づくものであるから、善管注意義務を果たしている限りにおいては責は問わないと明確にする必要があるでしょう。

         新しいの業務マネジメント

マネージャ +ーーーー★ーーーー+ーーーー+メンバ 

           +ーーーー

        ここの部分の失敗は守る

 わかりやすく説明するのであれば、新しい役割分担でルールの上で失敗するなら守る、と守る範囲と責任を負う範囲を明確にすれば良いです。