自分のやり方で満足していると無知であることに気づかない
自分の知っている情報や技術だけでアウトプットするシステムエンジニアがいたんですね。
担当するプロジェクトだと、割と新しい技術を調べなければならなかったり、集めた情報や技法などを評価分析して、あるべき姿=ToBeモデル的な世界を表現する必要があるんだろうなぁ、と横で見てたんですね。
日常会話やときどき担当している資料を説明してもらって聞いているとどうにも引っかかる思考をしているなぁって。
全く調べないわけではなく、本人なりに調べてはいるように見えるのだけれど、その対象は集める情報だけに限られているようにしか思えないんですね。
で、その集めた情報を仮説を立て、検証してモデル化するんだろうなぁと思っていたんですが、その仮説検証の前に結論ありきで情報を整理しているんですよ。
これは違うものができる可能性があるなぁ、と。
なんでこんな感じになっているのかなと。ヒントは「結論ありき」なんですね。自分の仕入れた情報だけで結論を出して、それに合うように過程を引き摺り込んでいるんですね。
それって自分で固定観念持っちゃっているんですよ。だから、他の案を検討しようとしないんですね。
増えない知識
情報は集めているんですけどね、モデル化する際のロジックがないんですね。乱暴な表現をすれば、表面的な情報は集めているのでそれっぽく見えるけれど、要求されているアウトプットは違うよ、ということです。なんでそうなってしまうかは、情報から仮説検証する道具立てがないから。
そのシステムエンジニアに必要なものは情報はもちろんだけど、道具だったんですね。でも、それを学ぼうとしないから知識が増えない。知識が増えないから持っている経験則だけでアウトプットするんですね。
そうしてアウトプットされたものは、見る人が見れば一発で「違うよ」とダメ出しを出されるんですよ。
お腹いっぱいと錯覚している
会話をしていてもそのシステムエンジニアは「自分はこのやり方でいいです」的なことをいうわけです。
必要な道具は持っていると勘違いしている。もう必要なことは全部知っていると思っているのかもしれません。そういうシステムエンジニアは学びませんね。
もう、何を言っても学びません。もちろん、大人に対して「学べ」とは言いませんけど。
「こういった方法もあるよ」
と言っても言う甲斐がないんです。困ったことに。いや、困るのはご本人なのですけどね。ダメ出しされるから。
ワタシは学もないし、経験も浅いと思っているので世の中にはもっといいやり方があると思っているんですよ。そう思っていると気になるんですよね。こんな考え方があるのか、とか。
でも、学ばない人は気にしていないから視界に入らないんですよね。これは大きいんですよ。気にしないと視界に入らないって。
やり方に、それも自分流のやり方で満足していると無知であることに気づかないんです。