マネージャに集められても自律的なチームにするために

はじめに

システム開発ではプロジェクトチームとか、開発チームなどチームをよく使いますね。班はほとんど使わないですね。製造業だと使うようですけど。

元よりチームの意味はどんなのでしたっけと辞書を引きます。今度はグループときたもんだ。

チーム【team】 の意味
ある目的のために協力して行動するグループ。組。スポーツや共同作業についていわれる。

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 グループの意味を引きます。人を集めた感しかないですね。束ねた、みたいな。

グループ【group】 の意味
出典:デジタル大辞泉
1 仲間。集団。「グループ旅行」
2 共通の性質で分類した、人や物の一団。群。
3 同系列に属する組織。「企業グループ」

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製造業で使う班は小学校以来な気がします。これも辞書を引いてみます。班のほうが良さげですが、目的を持って行動するという意味合いがチームより弱い気がします。

はん【班】 の意味
出典:デジタル大辞泉
[名]
1 一つの集団を数人ずつに組み分けして、行動・作業を共にする小単位としたもの。「三つの班に分かれて討議する」「救護班」
2 仲間。

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システム開発のように目的を持って行動するのはやはりチームが用語の意味的には良いのかもしれません。組織の中の担当部署としての集団には班でも適当そうです。

チームは勝手に集められる

組織の中では人事権を持つマネージャやプロジェクトのミッションを担い手がデレゲートされ、必要と想定するリソースを集めてチームを作ります。エンジニアがプロジェクトに参画するとき、ほぼこのパターンです。多くはないですが自薦だったり、プロジェクト自体のリーダになればリソースの人選に関わることもあります。多少については組織の文化に依存するのですけれど。

何れにしても機能的構造を持つ組織ではリソースの権限を持つマネージャがエンジニアを集めるわけです。そこに、志を持ったエンジニアが勝手に集まってくるということは存在しないのです。

ちょっと悲観的ぽく書きましたが、エンジニアが自組織の新しい動きについてどのくらい関心を持っているかといえば、隣のチームですら何をやっているかわからないというか情報を取りに行かないのに自ら参画したいと思っているのかと。

チームと多様性

一人のいちエンジニアの立場ではチームを作るにあたって集められるのであれば、多様性を云々というよりは、勝手に多様性のあるメンバでチームが作られるのです。どうして多様性を持つのかといえば、チームがチームの存在意義である目的を達成するために必要とするチームとしてのスキルセットを確保するためです。

多様性、ダイバシティ確保のために〜ではなく、一人ひとりキャリアも保有技術も価値観も違うメンバを勝手に集めているのですから、お互いできることを知り、お互い補完しながら仕事をしよう、という合意がなければチームが持つ目的のために行動を一緒にすることはできません。

多様性やダイバなんとかという前に、お互いにどのような性質を持っているかを理解しましょう、ということなのです。

チームと自律

チームが機能するためにはチームの中でのアクティビティやそのアウトプットをするために作業品質をある一定の水準で確保する必要があります。

それを確保するためにチームのルールが必要で、そのルールを無意識に、自律的に守る状態を醸成することが当面の課題になります。チームがルールを自律的に守るためにはそれができるまでお互いにルールを意識しながらアクティビティをこなさなければなりません。目指すゴールはそうしたルールを暗黙で振る舞えるようになることです。