チームの役割は冗長化しなければならない
プロジェクトチームを作るときに欠かせないことの1つに、分掌、役割分担を決めることである。
プロジェクトチームは、機能組織である。ある目的を達成するためだけに作られた組織であるから、その目的を達成するための機能を有していなければならない。
その機能をチームの役割に割り当てる。
ここで勘違いしてはいけないのは、役割に機能を割り当てるのであって、人に割り当ててはいけない。人に割り当てた途端、属人化が急速に始まるためである。
役割に機能を割り当てると、役割のポジションに人を置くとき、役割として必要な機能をこれから割り当てようとする人が持っているかどうかという観点でアサイメントの正しさを評価できる。これを人をポジションに置こうと考えると、その人の評価になってしまう。
これを取り違えてはいけない。
ところで、機能を役割に割り当てるとその機能の役割に支障が起きた場合、SPOFになってしまう。そうならないために、階層化の形態を取り、上位者によって冗長化を図る。
この例でわかることは、上位者は配下の機能も理解し代替できなければならないということである。
役割の冗長化は、小さなプロジェクトチーム、ワークの高速化を考えるチームには必要な考え方である。小さなチームは人ひとりがチームに占める割合が大きなチームよりとても大きくなる。
つまり、小さなチームになればなるほど、SPOFが高まる。トラックナンバーが1に近く、というのと同じである。
だから、技量の程度の違いはあるにせよ、役割の冗長化に取り組まなければならない。その取り組みにより、冗長化が進み、仕事が止まらないチームが出来上がる。
止まらないということは、仕事の平準化が何かしら利くということでもある。そして止まらないため、継続してアウトプットされる。
こうした考え方は、何も小さなチームの専売特許ではない。大きなチームのブロックでこの考え方を取り入れれば良い。大きなチームの中にあるブロックのチーム全てが冗長化を進めるとき、大きなチームは大きいままで止まらないでアウトプットが続けられるようになる。
チームの役割は冗長化しなければならない。