ロールでエンジニアをぐるぐる育てる
組織のデザインは、事業を遂行する上での機能分掌であるから経営者が行うが、分掌を行うチームのデザインはマネージャが行う。役職は組織人事がデザインするが、それは権限分掌や報酬の設計上の都合であり、実務と一致していなければならない必要性はない。
- 症状
チームの役割を役職で決めている。
・プロジェクトマネジャは課長職以上でないとなれない。
・明らかに若手エンジニアの方が適正があるが、経験年数をプロジェクトの責任者にしている - 概念
エンジニアのキャリアプランをデザインする上で、成長の機会を得られる仕組み作りは必要である。個々のエンジニアの業務での技術習得は、新しい技術を採用することで機会を作りやすいが、基礎スキルはロールに紐付くコンピテンシが少なくない。役割で与えられる裁量=責任を負うことに挑戦することで得られる経験などは、それである。 - 問題
・役割がいつも固定化している
・ロールそのものがない
・ロールの権限と責任が明文化されていない
・才能のある若手エンジニアが1つ上のロールにチャレンジする機会が作られない
固定化した役割分担では、若手エンジニアばかりではなく中堅エンジニアもキャリアパスを描けない。描けないばかりか、組織として、次世代、次々世代のエンジニアの育成が進まない。 - 解決
ロールは、エンジニアのキャリアの道を示すばかりではなく、育成する場になる。ロールの根底にあるのは、組織の数代先の道筋をつけるプラットフォームである。ロールはシンプルでよく、権限と責任のデスクリプションを明文化し、ふさわしい働きかをエンジニア自身が評価できるようにすることが望ましい。