スコープの境界線を引く

個人的な嗜好として、使える業務をデザインすることが好きである。業務をデザインするというのは、新規業務に関わる登場人物の役割、振る舞いを仕立てることである。

さらに言えば、そうした新規業務を企画する業務自体も好きである。

ただ、どちらにしろ前例がない。

当たり前である。だから、新規業務なのである。

振り返ると、誰かに押し付けられる業務はとても好ましくない。できればやりたくない。事務手続きなどは決められたとおりに手続きしないと処理が進まないため、それに合わせて処理をするし、その手続きがとても大事だと思えば、先に根回しをして処理が滞らないようにまでしておく。

一方、誰かからの指示で、自分に関わらないことはとても気が進まない。そうした仕事は組織の中のことで多いが、仕方がないと思えるまで消化する時間がかなり必要となる。

話を戻して、新規業務を作ることの楽しみはどこにあるのだろうか。

新規業務を作るためには、自分から主体的に背景を知り、ゴールを設定し、関係者を洗い出し、場を作り、コンセンサスを積み上げ、稟議を回し、ローンチまで行う必要がある。

本番は、ローンチした後の運用であるが。

そうした新規業務を作り上げることが好きなのなら、さぞかし最初からズバッと確信をつくような、課題解決をするような新規業務のたたき台を作れるのだろうと思うかもしれないが、それは残念ながらそうならない。

自分の無能さは棚にあげるとして。

実態もイメージもない新規業務のイメージを初めから100点でもっていくことは自分にはできない。

どちらかと言えば、思いっきり外す。ある意味、関係者がイメージするだろうこと違うことをたたき台に出して、それではないことを確認するようなものだ。

言い換えると、例外処理から仕様を見せるようなものであるし、集合の外側の部分のようなものを可視化して、それではないことをわざわざ確認しているようなものである。

これは1つの効果がある。それは、スコープの境界線をハッキリとさせることができるのである。

このスコープの境界線、界面がどこかを線を引くことは、新規業務のような実態のないもののイメージ像を作るときにとても必要なポイントだと思っている。それをしないといつまでたってもスコープが決まらないとか、クリープしていくのである。

まあ、方向性とか目的とかは外してはいけないが。