先送り克服法
先延ばししてしまう理由は、先延ばししているタスクが大きいからだという。確かに、タスクが大きいままだと、手に余す。『うわぁ大変そうだ…ちょっと後にしておこう』ということをしているのだろう。結局、手をつけなければならなかった時点から放置されるのだから、事象としては先延ばししていることになる。
先送りしている理由は、
- タスクが大きい
- 手の持て余していたら日が経ってしまった
ということになる。
若手エンジニアに多い、なかなか進捗が出ないケースはこれなのだろうか。
自分としては、やり方を知らない(経験したことがない)から、始末のつけ方を知らないので、手がつけられないということではないかと思っている。
大きいことがタスクに手をつけることを遅らせる真因なのだろうか。タスクのサイズが問題なのか。
では大きなタスクを分解して小さなタスクにすれば良いことになる。えっと思うかもしれないが、
『大きなタスクで躊躇するなら小さくしたらいいじゃない(マリーアントワネット)』
と故事もあるのだから、大きなタスクを小さく刻めば良いことになる。
『じゃあ、どうぞ。タスクをご自分で小さく刻んで進捗してください。』
と言ってどれだけの若手エンジニア(まあ、中堅でも不得手な人はいるが)がタスクを分解できるのだろうか。少しニュアンスが違う。間違ってもいいから、大きなタスクをバラしてみようと思うだけではなく
『実際にバラす行動に移れるか』
ということである。大きなタスクのバラし方を知っていれば無意識にバラすことができるだろう。知っているのに大きなタスクのまま放置するのはまた別な理由がある。
ものを製造する場合、完成イメージを図面にしたら部品を作り、組み立てる。ソフトウェアは、完成イメージから図面に当たる仕様を作り、仕様からコードを製造し、テスト工程でモジュール単位に検査を行う。
大きなタスクは、タスクの成果(アウトプット)として適切なサイズになるように分解しなければならない。つまり、部品の図面をイメージできるかどうかがポイントなのであって、大きなタスクを先延ばししてまう理由は、大きなタスクのバラした後のイメージを持っていないからなのだと思う。
残念ながら、この小さなタスクに分割するという仕方を習うタイミングはない。大きなままタスクを扱える人は、大きなタスクを受け取った瞬間から、頭の中で最終のアウトプットを構成する部品を展開できるのである。それは経験と資質の部分もあるかもしれないが、大きなタスクをバラせない人はいつまで経っても分解できないし、進捗は遅れるのである。
そういった人は、30分でできるタスクに分けてしまえばいい。大きなタスクをまずは30分でバラす。バラした1つのタスクをやってみる。手がつけられなかったら、次の30分でもう1段バラす。そうすると小さな、でも何を作ればいいか一目でわかるタスクに分解されている。あとは一つひとつ始末していけばいいのである。
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