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エンジニアの採用は簡単だけど簡単じゃないよ

とある会社の開発部門の役員の方とお話をする機会があってエンジニアについて色々話していたら、採用の話に移ったことがありました。

ワタシ自身が新卒採用と中途採用の両方の経験があるのでとても興味深く話を聞きつつ、色々と感じことがあったのです。新卒採用は新卒採用で見切れない問題がついて回りますし、中途採用中途採用で見極めることが難しい問題があるのです。まあ、新卒採用だとか中途採用だとか分け隔てしてみても、どちらも成人した大人を仲間に迎えるという意味では全く同じで、すでにある組織が持つ文化(それを家風とワタシは呼ぶことが多いですが)に馴染んでもらえるかが大きなハードルなのですけど。

共通的な問題

新卒採用でも中途採用でもどちらでも共通の問題は、自社に迎えて期待する成果を発揮してもらえるか、です。とても当たり前なのことすぎますが、当たり前なことは暗黙になることが多いので明示的に晒すこと行為はとても大切です。

リーンキャンバスやビジネスモデルキャンバスにような可視化するフレームワークはあえて内面に持っている考えを言語化するために使うのです。このとき、実はそれほど考えていなかったことに気づかされることに気づかされているエンジニアも多いでしょう。

期待する成果とは何か

新卒採用で採る新人に期待する成果とはなんでしょうか。一人前に自社に必要とする技術を身につけ、自分で情報を集め、自分で判断し、アウトプットをするエンジニアになって欲しい。そうであれば技術を身につけられるような教育を行う必要がありますし、身につけた技術を活用するアサイメントをしなければなりません。

同じように、中途採用するエンジニアに期待する成果とはなんでしょうか。当然の期待は即戦力としての活躍です。新卒採用で育成して育ててからではビジネス上の目標の実現まで時間がかかりすぎるため、そこを飛ばして教育不要な技術を持っているエンジニアを採用するのです。

掛かるコスト

新卒採用では技術はとりあえず不問とするケースが多いです。本来であればコンピュータサイエンスの課程を経た候補者から選びたいところです。これもある意味教育コストを自社で負担することを大学などに負担を押し付けているだけなのですが。

これも当たり前ですがいくらコンピュータサイエンスを納めてきたとしても自社で取り扱う技術と一致することはあまりありませんから、結局は育成という教育は必要になりますが、学習する技術は身につけている点でアドバンテージはあるのですけれど。

何れにしても新卒採用では、技術の習得の他に仕事の仕方も身につけなければなりません。ワタシ的には技術の習得より仕事の仕方、スキルで言えば基礎スキルに分類する定性的な意欲、姿勢、協調、意思伝達、意思は生まれ持った性格や採用されるまでに経験により身につける後天的な性格に依存するためいかに活かすかこれもハードルが高いです。

中途採用では、いわゆる技術の習得や仕事の仕方などの育成コストはかからない前提としていることが多いです。必要なコストは、参画する組織の家風、制度などの仕組みになれるコストだけです。

では技術に関するコストが全くかからないかと言えば、中途採用で支払うサラリーは新卒採用の数倍以上ですから、サラリーがいきなりボンっと高いところから始まります。中途採用と新卒採用のサラリーの差異のコストが本来自社で行わなければならなかった教育コストであり、それを出来上がっている状態で、つまり、車で言えば乗り出し価格で買ってくるということです。

教育コスト

新卒採用であれば程度の差はあるけれど、育成にコストを掛けなければ期待する技術の習得に到達できないことは理解されています。まあ、採用直後に現場に投げ込んでいたらその会社の教育に関するコストは掛けないということの証左ですからブラック認定してさっさと移ったほうがいいです。ここでの教育コストは組織が必要として強制的にエンジニアに習得させる範囲のみをスコープとしており、エンジニア自身が自身の市場での価値を維持、向上するための自己研鑽は別としています。

中途採用をする会社は新卒採用していなければ、その組織では育成ができない可能性が高いです。教育をしているとしてもアウトソースしている場合です。一見良さそうですが、どこの企業でも対価を支払えば得られる研修しかないため自社独自のノウハウを研修という形式知としてまとめて習得することは期待できないということです。中途採用される側の立場で言えば、自社、つまり内製化している研修がどれだけあるかで研修に対する組織の考え方が判断できるので注意する必要があるでしょう。

再び共通の問題

教育を行う期待とそれに投下するコストについて述べてきましたが、ここで再び共通する問題について取り上げます。

それは、新卒採用であっても中途採用であっても採用するという行為に対して

・期待する成果を発揮してくれるのか
・既存するメンバと意思疎通できるのか

という点です。機械の部品であればレギュレーション、部品仕様があればそれに合うものを調達すれば性能の差はあるとしても適合することには間違いありません。

機会でない人を採用して既存のメンバの中に当てはめたときに仕事の成果の他に想定外の摩擦やコンフリクトを起こすかどうかは嵌めてみないとわからないのです。

これが判別できないから結局、

「一緒に働きたいと思うか」

という定性的なものいいでしか表現できないし、一緒に働く前提を言葉で表現すること自体ができないのです。

人材の流動性が高まるなどと表現がありますが、その裏には様々な期待とコストがかかることを知っておくことは無駄にならないでしょう。