SEサバイバル手帖 技術習得

はじめに

エンジニアが技術を身につけるには、身に付けなければならない技術の特定から考えなければなりません。エンジニアが身につける技術は幅が広く、技術の難易度も深く組み合わされているのでいきなりピンポイントで学ぶことはエンジニアの性質、得手不得手のマッチンングするとも限りません。エンジニアが振るう技術にはどのような技術の種類があるかを知るためにも概論的な知識が必要です。

エンジニアと技術のエンゲージ

技術領域の幅が広いために専門性を持ったエンジニアを育成したくなるところですが、そのエンジニアの性質がアサインした技術領域とエンゲージするかどうかは別次元の話です。

一方、エンジニアは好感を持っていなくても特性上から出来が良いケースもあります。この場合は、エンジニアは仕事に興味を持つまでに時間がかかりますし、興味を見つけられる前に離れてしまうこともあります。

エンジニアと技術のマッチングは長期的な成果の観点では重要な要素です。それを見極めるためにも技術のローテションは考慮しなければなりません。

技術を身につける手段

エンジニアが技術を身につける方法は、集合教育によるOFFJTと業務の中で実践しながら技術を身につけるOJTがあります。OFFJTはさらに組織内での教育と外部委託による教育、及び、エンジニア自身が組織外で取り組む自己研鑽とに分かれます。

組織がエンジニアに対して技術を習得させるのは、業務上必要なことで事業の達成に必要なコストです。これは、エンジニアに一定の教育を行うことが事業の発展に繋がる投資であることを物語っています。組織がエンジニアに対して教育を行わないということは、事業の発展に必要な投資を行わなわないということです。

OJによる技術習得

OJTによる技術習得は、アサインする業務で必要な技術が身に付けられる期待ができます。逆の見方をすれば、アサインされる業務で使われない技術は身に付けられることができない、ということです。長期にわたり特定の業務にアサインすることは、エンジニアが適用できる技術が固定化されるということになります。

組織がエンジニアに対してマルチスキルを望むのであれば、ローテーションなどの配置転換により、強制的に技術習得の機会を設ける必要があります。

組織内及び業務委託による技術習得

組織内若しくは業務委託によるOFFJTでの技術習得は、組織が事業計画を具体化した際に注力する次期ビジネスの技術をエンジニアに習得させるために行います。これは組織が行うOFFJTは、事業計画と連動して先を見据えた育成計画がなければならないということです。

エンジニア自身による自己研鑽

理想は、OJT若しくはOFFJTでエンジニアに必要な技術習得の機会を設け、技術移転を行える仕組みを用意することです。実際には、企業内及び業務委託による教育のコンテンツではエンジニアが関心を示す先端的な技術などは体系化される以前のことが多く、提供されません。エンジニア自身が関心を示す先端的な技術や手法については、任意の団体で運営される場で習得したり、自己の技術的欲求を満たす知識や技術を満たすために自己研鑽の形式で行われます。