若手エンジニアに教えられることは何か
あなたはこれまで若手エンジニアを一人前にまで育てたことがあるだろうか。組織の規模が大きくなればなるほど、業界が古ければ古いほど若手エンジニアの配属の機会が少ないことが多く、結果的に育成に携わる機会も少ない。
あなたが中堅エンジニアとして、自分(私)が若手エンジニアだとして(仮の話だから受けれいるように)、若手エンジニアの育成をどのような気持ちで始めるかを教えもらえないだろうか。設定は次に示す。
- 状況 あなたの参画しているプロジェクチームはもう少しメンバを増やしたいと採用活動をしてきた。マネージャから、採用活動で協力してきた第二新卒の若手エンジニアの採用に至ったから育てて欲しいと指示された。あなたはチームの中でサブリーダ的なポジションで、フロントのアプリを主に担当している。サーバサイドは必要最低限(だと自分で思っている)知識だけしか持っていないことは自覚している。プロジェクト全体の進め方も、必要な知識も経験して得たものしかない。
- 障害 自分の担当技術しか知識を持っていない。例えば、若手エンジニアの希望しているPdMが何か、プロジェクト全体の適用技術もインフラについては人に教えるほどではないことを自負している。
- 問題 あなたはこれまで若手エンジニアを育てた経験は一度もない。教員実習の経験はなく、教えるために必要な手法も知識もない。採用した若手エンジニアは、採用面談の際に将来PdMになりたいと希望を話していた。
- 解決 解決方法を述べなさい。
多分、多くの先輩エンジニアたち(みなさんのこと)は、アサイメントされるプロジェクトに必要な技術の使い方を教えて即戦力に、と考えるはずだ。そのようなアプローチを取ること自体は間違っていない。若手エンジニアだからというわけではなく、プロジェクトチームに参画したエンジニアとして期待をされるから、1日も早く貢献できるように立ち上がって欲しい。そう考えて始めるのだ。
ところで、その技術を伝える際に教える側の中堅エンジニアが持っている気持ちは、一方的な『教える』ではないだろうか。確かに第二新卒くらいであれば、実務経験は少ないだろうし、できることもそう多くはないだろう。
一方、教える側のチューター役のみなさんも教えることに関しては経験値はからっきし(の設定)である。であるからこそ、いきなり技術から入ろうとする。それは、若手のエンジニアの希望は聞いていても、PdMの前にエンジニアとしての技術を身につけて欲しいと考えているからだ。
さらに言えば、若手エンジニアの希望がPdMだとして(それはそれで尊重するとして)も、未経験分野の方が多い。その観点から言えば、プロジェクトチームが関わる全体から情報を与えることは可能である。ただ、PdMの情報は提供するとしても、システム開発で必要とする手法や技術についてもカバーする必要がある。
であるから、自分でできることとできないことを自覚する必要があるし、何から教えるつもりか、教育番組を簡便的にも作り、自分でできないことはオファーする必要があるだ。
『教える』活動には、次の事項は考慮されている必要がある。
- 何を教えるか
- 何をどのくらいのレベルまで教えるか
- 教える側は教えるコンテンツのどこまで教えられるか
- 教え切った、と言い切れる評価基準は何か
教えることは大変である。自分で理解できていることしか教えられないし、教えるに十分な知識を持ち合わせていなければ情報提供くらいしかできない。
中堅エンジニアともなれば、自分の得意な専門分野を持っていそうだが、それでアサインされたプロジェクトに適用している技術をカバーできるかと言えばそんな単純な技術で今時のシステム開発はできないのではないことを一番知っているのは誰か。
チームのプロジェクトを意識して、育成するのであれば教育プログラムはキーパーソンに専門分野のコンテンツを見てもらった方が良い。
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