幸せな就活 - 室長のひとりごち

仕事に就いてもう20年を超えている。
毎年、この時期になると今の学生は大変だな、と思う。
例えば、自分が今いる組織を受けても受かる自信がない。
そのくらい、今の学生のほうが勉強はできるし優秀だ。

何か考えて就活をしていたか、というと、全く何も考えていなかった。
就活をはじめようと歩き出したら、出会いがしらにぶつかった組織に決めてしまった、というくらいに。

たった一つだけ、仕事に就く条件があって、それがシステムエンジニア。

今の学生でもこの仕事をしたいと思って就活をするなら、組織がベンダーでもSIerでも選択肢だし、それ以外の一般の企業、たとえば、製造業や素材メイカも選択肢に入る。
この、何をしたいか、という考えってとても大事だと思う。

そうは言っても、沢山ある仕事の中で、学生の時の価値観で選んだ仕事の種類が自分に合っているかどうかなんて、誰にもわかりはしない。
だから、まず仕事を覚えて独り立ちできるように、頑張る。
自分が選んだ仕事だからね。
3年とか5年とかマイルストーンを置いて。

勉強して、いろいろ試行錯誤して、経験を重ねて、工夫して、それでも合わないなら、その組織の中のほかの仕事でその組織で活躍できないかを初めて考えても遅くない。
その組織の家風は知っているし、人間関係だって出来上がっているだろう。
関係を一から作らなくてよいのは、心の負担が少なくていい。

ただ、そう動く前に、変わりたい仕事の基礎の力はつけておく。
基礎的な指標となる資格があるなら、取っておく。
変わる前の仕事はあるだろうし、大変だろうけど、変わったときの目線で今の仕事をしながら見ることは、とても大事だから。
今の仕事に対する情熱より、もしかすると、変わりたい仕事は隣の芝で青く見えているだけかもしれない。

決めたとき、それまでの経験値はリセットされることを心にとめる。
未経験者の中途採用なものだ。
それでも変わりたいなら、変われ。
そしてがんばれ。

そういうオルタネーティブな考えを持って、仕事を選ぶ、という考え方のほうが幸せだと思う。
心に余裕を持てるから。

職種で選べるという選択肢を持ち、マイルストーンを置いて頑張り、オルタネーティブな選択肢もあるんだ、というように考えると、いま、迷ったり、足がすくんだりしていることから一歩踏み出すことができるだろう。

幸せな就活に向かって。