変化を継続することの強み

誰でも意思は弱いもの
要求された期日までに遣り遂げられないエンジニアの中には、「もう少しやり切ろうという意思が感じらればなぁ」というメンバも居たりするんですね。感じるのはこっちの勝手な感覚なのですが。
そのようなメンバへ渡すタスクは、毎回期日とおりに終わらないから、渡す方もそのつもりでスケジュールを引いている状態で、これはいかんなぁ、と。

自分で課題を見つけ、自分で目標を設定できるエンジニアは、実際、放置しておいても業務上何ら問題はなくて、まぁ、方向があっているか始めと途中とポーリングしておけばいいものですが、当のエンジニアのタイプはその運用では回らないのが実情です。

なので、そのようなタイプのエンジニアには、明示的に言わないけれど実質“カウンセリング”のようなフォローを入れることになります。カウンセリングといっても専門家ではないので、メンターに近いかもしれません。

当のようなエンジニアとじゃあ、立て直すために、とか、次のタスクはどうやろうか、とかを会話をすると大概、“自分が考えているようにできない”、“自分はダメですね”など自己否定するような言葉ばかり出てくる。すっかり、反省会になってしまう。こちらとしては、そんな実のない反省より、“次はどうやって遣り遂げるか”にフォーカスしたい。過去をどれだけ顧みても、未来にそれをフィードバックしないなら、やらない方が良いと思います。

当のエンジニア、自分を自己否定して根底では、自己満足しているだけに見えなくもないけど、実際はどうなんだろう。自分以外のエンジニアがきちんと期日に間に合わせてアウトプットしているけれど、それは自分にないものを持っていると考えている節があるのかないのか。


強い意志、やり遂げる力、支える技術
誰だって、最初からそんなもの持ち合わせているわけではないのに。当のエンジニアはそう思っていない。決して、今君の周りにいるシニアのエンジニアが最初から意思が強く、難しい仕事に挑戦的に取り組んでいるわけではないのに。そして、試行錯誤して小さな失敗を積み重ねてた上でやり遂げる姿を見せているのに、それは見ていないんだな。

何人ものメンバを引っ張っているプロジェクトマネージャやマネジメントだって、最初から強い意志を持って生まれた訳じゃない。

「君の前にいるワタシなんてめっちゃ意志が弱いんだよ。」


って、思っているんだよ。でも口に出さない。ロール上そう言っていられないんだ。プロジェクトマネージャになるために必要なスキルを自分なりに調べ、自分なりに後付で補強して、そして失敗を沢山してきたんだ。

君は知らないだろうけど。


日常の小さなことを変える
当のエンジニアと話すと、どうもいきなり目標まで到達できる前提で物事を話すことが多いような気がする。将来、当のエンジニアがどんな姿になりたいか将来を話すと目をキラキラと輝かせて話をする。それは生き生きと。でも、目の前のタスクの話をする場では、俯き気味になってトーンが落ちる。うわの空になれる空想の話は好きなようだ。でも、その夢のような将来を実現するための目の前のとても現実的な話になるとそれが“実現できない”もののように。

誰だって、今ある自分自身をいきなりなりたい姿になんてできないものだ。だから、小刻みにマイルストーンを置いて“まずそこまで”やろうとする。あの目標を実現するために目の前の目標を“自分で置いて”自分の足で立ち、一歩を踏み出す。

どうしても、タスクが自分の思い通りにできないエンジニアには、

「日常の小さなことを一つだけ変えてみようよ。」


、と言う。
日常なら仕事じゃないから上手くできなくても、反省会をする必要はないからね。とても小さなことでいいのだ。自分にとって、自分の日常を変える。自分の手で自分の日常を変えたという成功体験を持って欲しい。


変化を継続することの強み
例え、今は上手くできなくても、小さな日常を変えられたなら、それを続けよう。“継続は力だ”と言うけれど、そのとおりだから。

自分の日常を変えられたなら、それを続け習慣にしよう。それが習慣として身についたのなら、次の変化を試みよう。一つの変化を遣り遂げられたという実績は、自分の意思を強くするのだから。

ひとつの成功は、自分の振る舞いを補強する。ひとつの成功は、これまで抜け漏ればかりだった自分の仕事の品質を向上していく。自信を持っているから、気持ちが前に向く。変化を体験していることで自分の意思を感覚として掴み、コントロールできるようになるものです。

小さな日常を変え、それを続けることで、小さな成功を積み重ねる。それが強みになるのですよ。