ロールが求める役割を理解しないで自分が好きなことをやると残念な結果になると言う話


とってもできるリーダのエンジニア
となりの部署にとっても優秀でリーダを務めているエンジニアがいるんですね。比較的小規模のプロジェクトを経験していたことが多かったようで、プロジェクトの進捗に問題があったら自分も頑張ってリカバリしちゃうくらい。


そのくらいガッツもあってこれまでの顧客には大変評価が高かったらしいです。すばらしいエンジニアだと思います。ガッツもあって、技術力もある。ところが今、困ったことになっているらしくていつものように偉い人に召喚されるのです、ワタシが。


今までとは違うタイプのプロジェクト
当のリーダの経験からすればかなり大きなプロジェクトに参画することになって、プロジェクトのサイズが大きくなれば、どのポジションの役割を担うかで、負う責任範囲が大分変わるものです。


これまで経験してきた小規模のプロジェクトなら、技術のウェイトとプロジェクトマネージャとしての割合は7:3でも4:6でもいいわけです。小規模のプロジェクトで専任のプロジェクトマネージャを雇えるほど予算が付くことはまれですから。


プロジェクトが変わればそのプロジェクトの体制図のどこのポジションに付くかでロールが変わるものです。当たり前って言えば当たり前ですね。そのための枠割り分担だし、それを明確にするための体制表なのですから。今までは技術のエンジニアとプロジェクトマネージャの比率が7:3で良かったものが、例えば大規模なプロジェクトのサブリーダになった途端、3:7とか2:8くらいになるかもしれないし、ホント、超大規模なら0:10だってあるかもしれない。


プロジェクトに参画するときに、自分に期待されるロールはどのようなものなのか、それに期待される大きな比重を持つ責務は何かを知らないととっても怖いことになります。


ロールとは分掌であり責任範囲
プロジェクトの体制図は、責任や作業の分担を明示的に示すものでとても大切なものです。少なくともそれに記載されている役割を果たさないといけないわけですから。それを理解しないで好き勝手にしていたらどうなるか、は誰でも想像つくでしょう。


その当のリーダが出来るエンジニアは、とても優秀だったのですがこれまで経験してきた比較的小規模なプロジェクトの感覚だけで自分の関心を持つことを中心に作業をしてしまい、結果、ロールとしての役割を果たすことを蔑ろにしてしまったようです。これでは、このリーダのエンジニアの周りだけにとどまらず、プロジェクト全体にとってとても拙いことになります。


だって、計画した分掌を果たす人がその責を果たさないのだから、その仕事が手付かずになるのですから。


何かを学べてもらうといいのだけれど
技術に長けたエンジニアにありがちなケースであるのですが、そのポジションが上に上がれば上がるほど、プロジェクトファシリテートのスキルが必要になるものです。それを意識してかしないかは当のエンジニアにしかわかりませんがその責を果たさなければ、プロジェクトが混乱するのです。


それが発覚するのは大きな問題になってからですが、今回は残業の多さが異常で労務管理がキチンとされていた結果、誰かがおかしさに気づいて、適宜人選して現場の状況把握やインタビューを当人とそれ以外の多面的にとることから現場で何が起きていたかを掌握することができるにいたったわけです。


真の原因はエンジニアだけではない
当のエンジニアに担当マネージャからロールで期待される責とそれをやり遂げられるか自分のスキルとのマッチングと成長するためのチャレンジを組み合わせてコンピテンシの伸長にフィードバックできるようにしてあげて欲しいものです。


ワタシとしては、当のエンジニアばかりを責めるのではなく、アサイメントしたマネージャがプロジェクトに入れる前に適任なのか、成長のためのチャレンジが必要なのか、そのエンジニアのタレントを鑑みて、必要な助言やそのあとのフォローをしていないのが根本原因だと思うのですが。