人為的ミスの再発防止は再発防止策で手順を増やすことではなくしくみを変えないと効果なんて得られませんよ

プロジェクトでも日常の業務でもミスをすると脊髄反射のように再発防止策を作って一つ“管理”とか“チェック”という名の追加の作業をを始めることになるでしょう。それはもう、何か手間を増やすことが無意識の前提になっていたりするわけです。


で、片や手間を増やそうとすると何も変えもせずに“人は失敗するものだから。”とか“管理の行き過ぎだ。”とか“ミスを恐れずに行動することが必要なんだ”とかく感情論的な意見を言う人も出てくるわけです。


“人為的ミスってほんと起きて仕方がないんですかね”
“ガチガチに縛ることがホントに必要なのですかね”
“ミスを恐れずに挑むことが必要なんですかね”


ワタシ自身再発防止策にはウンザリする
例えば、工程の作業中に誰とは言わず重大なミスがあると再発防止策を策定することが当然な行動のようになっているし、不良な作業に対して修正するということは、必要なことだと思うんです。


ただ、その作業の手順の不良かどうかは当事者であるチームでしかわからない、と思うんですね。ところが、ある程度の規模のプロジェクトだと再発防止策を策定して通知徹底することが目的になっているんだろうなぁ、って思ってしまうことがあるですね。こういう状況になっているときにウンザリしちゃうんですね。


だってね、手続きに“何か当たり障りのないことを加える”ことが多いんだもの。


再発防止策も効果がなければ不満も出てくるのも当然ですよ
これには、もともとのミスを犯す方の作業のしくみにも往々にして問題があるんですよ。ひどいものだと手順さえ用意せずに作業をするケースがあるだんもの。「えーさすがにそれはないでしょ?」って思うでしょ。でもね、現実の現場のエンジニアのレベル、あなたが想像しているほどではないことも多いです。


確かに適用する技術は持っている、けれど、その技術だけしか持っていない。その作業を確実に反映するには確立された確かな手順での作業の実施が必要です。

“作業をする目的を理解していない”
“業の手順が確立されていない”


根本的な原因はすべてここに辿り着いてしまうんです。きちんとやっているエンジニアの目で見れば、「やることやりなさいな。」って思いますよね。ほんと、そのとおりだと思います。


そうしたケースに再発防止策で手順を増やしても、管理するための手順だったり、その追加された手順をやらなくても誰も困らない作業を足していたりするので、効果はほとんどないんですね。その意味だと“無駄な作業を増やしている”に過ぎないわけで。


再発防止策はしくみを変えないと意味がない
しくみ、作業の手順。これを変えることです。どうしても、必ずやらせたければ、それをやらないと先に進めない手順にするのです。


しくみ作りで大切なことは、同じ手間を何度もやらせないことも必要です。繰り返しの作業はミスの源泉と言ってもいいです。登録するデータがあれば、一度登録したデータを使いまわすしくみを意識して作り上げないといけないのです。


それを知ってか知らずか、やることをやっているエンジニアからすれば効果のない手順をただ追加して際はいつ防止策なんて言うからそれに巻き込まれる周囲は「???」ってなってしまうわけで。


そのため、効果を得るためのしくみの改善をするには、そのミスをなぜ起きたか、とことんそのしくみを実行したら何が起きるのかを検証するのも手です。そうすれば、どこで間違いが起きるのかが特定できますからね。まぁ、普通は、ナゼナゼをやって、ミスの根本原因を探る手法を取るのですが、その当事者には、今の自分たちの手順を実行したらどこで何が起きるのか、から始めないといけないのでは、と思ったりするので。