上辺だけの再発防止策がエンジニアをスポイルしていく
作業ミスをすれば再発防止策を暗黙で求められるので作業ミスをした方も決まりきったように再発防止策という名のアクションプランを添えて双方の担当は手打ちをするのがすっかり様式美になっている今日この頃ですが週末にトラブルを起こしたエンジニアの方々も同じように再発防止策を考えているのかもしれません。
効果のある再発防止策は取られない
人には目に見えていることしか認知できないので作業ミスが目の前にあり、再発防止策を含め早々に報告しなければならないときには認知に視野狭窄が起きるので目に入る情報だけで対処案を導き出そうとします。
手近な情報として入るものは、作業ミスをしたエンジニア、作業そのもの、作業手順及び作業環境が挙げられます。こうした情報の中から簡易性と安価な再発防止策が選択されるのです。
報告を受ける側が優秀で無駄なコストに対して敏感であれば行使した再発防止策は無駄であり、効果のないことは一目で判別できるので差し戻しを要求することもありますが、報告を受ける側もまた内部では報告する側に回るので手間暇をかけずに処理することを判断基準にしていると往往にして効果のない再発防止策だらけになります。
効果のある再発防止策か見抜くには
そうしたケースもあることを知っていれば、再発防止策を取った後に作業が増えていたら、効果のない再発防止策が取られている可能性が高いと踏んで良いです。
作業ミスは元々の作業手順に不備があって起きるものでその原因は作業する側にあるものではありません。その観点に立てば、不備のある作業手順が作業ミスを起こさない作業手順に置き換える必要があるので作業を増やす必要はありません。
この考え方の基本には、作業者の善意によって対策することは愚であるという背景があります。言い換えれば、作業者は必ず作業の注意事項に沿って全ての作業を行うのだから作業ミスは起きないというような性善説を根拠とした精神論では何も変えられないということです。
意図させない作業プロセスに修正する
エンジニアの仕事はOJTで仕事の仕方を自分の経験を通して覚えてしまうので、外部からの指示でその覚えた仕事の作業手順を変えることは本人が意図的に行動を取らなければ早々は変えられないのです。
自分の胸に人差し指を当てて聞いてみたらわかるでしょう。
であれば、作業自体を入れ替えて作業ミスを起こさないプロシージャに修正する必要があるのです。
ただ、冒頭に書いたように作業ミスを起こさない作業手順に変えるという再発防止策は取られずに上辺だけの見えていることに対する対処でことをやり過ごそうとするので無駄な作業にエンジニアの工数が吸い取られてエンジニアが作業にかけられる工数が減り、自分で考える時間も減っていくという馬鹿らし循環がぐるぐると回っているとエンジニアはますます思考しない作業者になってスキルレベルが落ちてくのです。