自分で学びながら人に教える循環システム


たまたま、仕事で余り経験のないテーマを扱う機会がありまして。名前だけ知っている技術・手法を使うテーマだったんですが。


それは名前だけ知っているもので、所謂、アプリケーションデザインに関すること。ワタシのエンジニアとしてのキャリアの前半は今風に言えばアプリケーションエンジニアでした。でしたけれど、使えないヤツでしたからほとんどスキルないです。で、前々から抱えていたタスクを大分棚上げしていたんですが「そろそろやって!」と促されたこともあって、重い腰を上げたんですがその棚卸をしている間にとても定性的な要求が出てきたのも「よろしくね!」と言われる始末で暫し頭を抱える感じです。

「例のアプリ、代わりに要望を聴いてきたから。」
「はい。ありがとうございます。」
「とにかく、『使いやすくして』だって。」
「はい、使いやすくですね。」
「(さて、使いやすさってなに?)」


一応、ネットで技術領域は自分が関心を持つものは斜め読みでも見ているのでキーワードになりそうな言葉の中から出てきたものがあって。


ところで、よくいるでしょ。聞いたばかりの言葉を「それで宜しくね!」なんていう調子のいいオジサン。そのたまたま今回必要に(結果的に)なったキーワードを自分が1年前に調子のいいオジサン風に使っていたことを思い出しながら、「それしか思いつかないなー。」ととりあえずグーグル先生にそのキーワードを訊いてみたんです。


slideshareで良い資料があって、いくつかパラパラ見て「これだな。」と内心確信して、そうは言っても頭の中でロジックが出来ていないので、マインドマップのツールを立ち上げて情報をメモメモしていくんです。こうして、速醸で理解をすることを試みるわけで。でも、その得た情報が「使いやすくして!」という要求を解決に結び付けることができるかどうか、そこの確信が得られない……。


その仕事のタスクは複数のメンバが居るのでちょっと時間を貰ってここまでのワタシ自身の理解を聴いてもらうことにしたのです。だって、人に説明するとわかっていないことを理解できるって言うじゃないですか。はい。巻き込んで、モルモット、いや、協力してもらうことに。


メンバもそのとっても定性的な「使いやすく!」という要求をワタシから聞いて「どうするの?」って感じでした。そこで、ワタシが調べてまとめたマインドマップを順を追って説明して、合わせてslideshareも一緒に見て、

「で、どう思う?このアプローチ?」
「良いんじゃないですかね。だって要求がはっきりしないもん。」
「定性的な要求だから、どこまでやっていいか自分たちなりのボーダーがないところで動くのは嫌なのよ。」
「際限ないですからね。」
「そうそう、だから、知恵を借りてきてロジックを作りたいわけで。」
「良いんじゃないですか。」


ここで、ワタシの不安は一旦は解消です。これで進められる。方針が決まったわけです。で、ここからもっと具体的に、todoになるくらいまで更に理解して、作業に分解できるまでロジックを作り込んで行く段階に進むんです。


こういったときに、すぐに次に取り掛からないで考える時間を持つことは意外に大事です。もう、ロジックも出来上がっているなら直ぐに次の作業に進んでいいんですが、まだロジックが出来上がっていないときは、具体的にどうしようかと考える時間を持つことで抜けていた考慮点を見つけることが出来ます。


まぁ、まだまだロジックが粗々だったところの粗いところを自分で見つけて、じゃあどうするかを考えていただけですけど。で、また、メンバに集まってもらって、もう一歩踏み進めたロジックを説明して反応をみる。見る。メンバからあーだ、こーだと意見が出てくる。それを一緒に理解して進める。


これって、自分で学んだことを人に教えて、自分の理解を確固たるものにしているんですね。他の人もワタシの要約を元に知識を得て、テーマの解決に何ができるかを考える。いい感じのループですね。