一番やさしいWBS −依存関係をつける−
昨日、一番やさしいWBSで作業の展開をしたので、次はWBSを行うときの条件があるかを確認しましょう。
WBSを行うときの条件ってなに?
「WBS (Work Breakdown Structure) とは、作業を細かく分解したもの」でした。
では、WBSを実施するときの条件とは何でしょうか。
WBSの条件とは、詳細なWBS、−そうそう、詳細なWBSをワークパッケージなんて呼ぶらしいですが実際はあまり使わないのでそのままWBSと呼びます−、が複数ある場合、WBS(A)とWBS(B)の間に順番を守らないといけない条件がある・ないという約束事の有無を意味します。
これは、詳細なWBSからみたら、そのWBSを行うための「前提条件」です。一方、後続のWBSからみたら後続WBSの着手を制限するので「制約条件」と言えます。
それでは具体例で確認しましょう。
プロマネ本を読み、感想をメモとしてブログに残すWBSを作成します。
プロマネ本を買って、本を読み、忘れないように気づいたことを感想としてブログに残します。
これから、「プロジェクトマネージャがこのゴールデンウィークに読みたい5冊」から選ぶことにします。
それではWBSに展開します。
【例1】プロマネの本を読む
WBS ID WBS 1 プロマネの本を読む 1-1 プロマネ本を選ぶ 1-2 本を買いにいく 1-3 本を買う 1-4 本を読む 1-5 感想をブログに書く
WBS IDは、WBSを識別するための記号です。採番の決まりはありません。「-n」は、「1」の中にあるWBSを表しています。
「1-1」と「1-2」はどちらを先に行っても問題ありません。これは「1-1」と「1-2」の間に依存関係がないことを物語っています。ところが、「1-3」は「1-1」と「1-2」の後でないと始められません。というか、実際は本が買えません。
この関係を依存関係と呼びます。
さらに「1-1」と「1-2」は、両方が揃っていないと「1-3」ははじめられません。「1-4」も「1-3」が完了しないと始められません。
【例2】プロマネの本を読む
WBS ID WBS 先行WBS ID 1 プロマネの本を読む n/a 1-1 プロマネ本を選ぶ n/a 1-2 本を買いにいく n/a 1-3 本を買う 1-1/1-2 1-4 本を読む 1-3 1-5 感想をブログに書く n/a
「1-4」と「1-5」はどうでしょうか。「1-4」をはじめないと「1-5」ははじめられませんが、読書の途中でも感想を書くことはできます。シンプルにしておくために、今回は、依存関係を付けておきましょう。
【例3】プロマネの本を読む
WBS ID WBS 先行WBS ID 1 プロマネの本を読む n/a 1-1 プロマネ本を選ぶ n/a 1-2 本を買いにいく n/a 1-3 本を買う 1-1/1-2 1-4 本を読む 1-3 1-5 感想をブログに書く 1-4
依存関係を理解していないというコトは、WBSを展開するもとになった作業プロセスを展開する人が理解していないというコトを表しています。とても、危険な予兆です。