チームの生産性が悪いのは技術レベルの低いメンバとは限らない


ソフトウェア開発の見積もりで生産性が高いから「この見積もりの工数でできる」と説明を受けても信じたりはしないようにしています。でも、それを認めないわけではないです。その「見積もり」に適用した生産性はそのひとが後々のプロジェクトの実績に責任を負えばいいのですから。


では、なぜワタシはその「見積もり」で説明される生産性を信じないのか、ということです。


ひとつは、実績と将来の予測は別物だから、です。プロジェクトである以上、何かしらが違う。唯一無二であるからプロジェクトです。最初に言えることは、作るソフトウェアが違うとうことです。Aというソフトウェアを作るのとBというソフトウェアを作ることは全く条件が違います。


二つ目は、作る人が違うということです。実際に、生産性の元になった人たちと見積もりで生産性を適用される側のこれからチームを組んでプロジェクトをはじめる人たちの生産性が同じなわけがありません。第一、プロジェクト自体が唯一無二なのですからそうした前提を飛ばして生産性が云々、とくに「生産性を向上させて」だとか言える理屈がわかりません。


このような見積もりの時に注意してみていることは、前提としているチームの技術力です。だいたい、どんな人も見積もりをする時は、「自分と同じレベル人」で見積もりするプロジェクトのシステムエンジニアチーミングしていたり、凄い人、スタープレーヤーをイメージしながら見積もっているものです。


じゃあ、見積もったあなたも参画する予定なのかと訊けば「その予定はない」というし「スタープレーヤーの予定は確保したのか」と訊けばそんな調整は全くしていないわけで。さらに、プロジェクトのコスト見積もりは、都合の良いレートのシステムエンジニアで工数を山積みしているわけです。


もともとの見積もりに適用している生産性の背景、根拠がおかしなことが多いんです。