プロジェクトマネージャやアーキテクトの育成にはなぜ「高度な目標と高度なサポート」が必要なのか


はじめに
これまでに何度も書き散らしてきたプロジェクトマネージャやアーキテクトを先頭にシニアシステムエンジニアの自主的な育成について様々なアプローチと絶望が混濁となって結果的に当事者の主体性に帰結するロジックに嵌っているのが現状です。


他方、育成の観点では相互の学びの観点からペアプログラミングがあり、導入のハードールは高いが実践しているシステムエンジニアの学習効果は高い。


エンジニアの育成の課題
システムエンジニアの育成に関する課題は、経営サイドの観点でいえば短期でのスキル習得とロールのレベルアプがある。これは、継続的な企業の成長にはプロジェクトの受注可能な母数を増やすことが必須であり、その母数はプロジェクトマネージャとアーキテクトの増員が必須であるからである。


システムエンジニアの立場から言えば、それに関して自覚を持つものであれば自己研鑽や主体的な業務へのアサインを働きかけるがこうした主体性を持つシステムエンジニアの数は少数であり、経営的な観点での要件の既存の内数であって、拡大のための数にはほど置い。


つまり、軽絵サイドの事業課題であるプロジェクトマネージャやアーキテクトで確保したい数量は、自然発生的に、自主的に育つ人数を引いた残りの人数をいかに確保できるかが事業課題の解決につながる。ただ、現場のマネージャの問題としては残存枠としてのプロジェクトマネージャやアーキテクトのなり手をを見つけ、育成するかにかかっているが多くはミスマッチと無理なアサインと低いマネージャの支援のために目標が達成されない。


高度な目標と高いサポート
ペアプログラミングが現場で定着する要因は、技術較差を持つシステムエンジニアでペアを組むことである。


高いスキルを持つシステムエンジニアから低いスキルのシステムエンジニアがプログラミングに関連する高度な技術を習得する機会を手に入れ、高いスキルを持つシステムエンジニアは、低いシステムエンジニアのスキル習得をそのシステムエンジニアの技術レベルに応じたメンタリングを行うことで自己のスキルをさらに向上させることと育成に関する指導力を育む。


これらの関係が良好なコミュニケーションの上で成り立つとき、双方のペアプログラミングに対する満足度は高い。


このペアプログラミングの最中に行われていることは、高度なスキルを持つシステムエンジニアが高い目標を低いスキルのシステムエンジニアに与え、成長を促す目標を設定することである。目標は低くては作業になってしまうため、低いスキルのシステムエンジニアは作業に対する習得するスキルが少ないと感じたり、成長を感じられなかったりする。


また、高い目標であったとしても高いサポートがなければ挑戦は無謀に変わり、ペアプログラミングとして同じ作業をするペアプログラミングの狙いから外れてしまう。


よって、ペアプログラミングは、高度な目標と高いサポートが成功のための要因であることがわかる。


パターンの展開
ペアプログラミング以外で同様のパターン、つまり、高度な目標と高いサポートが得られる育成はあるかといえば存在しない。目標は育成対象者の個々のスキルレベルに応じたアサインがされることはなく、仕事に貢献できるこれまでの実績に応じたアサインがされるだけである。


また、高いサポートがなされることはなく、育成対象者の活動については放置されるか年度当初に立てられた計画のとおりに進捗しているかどうかの管理のための管理がなされるだけである。


本当にプロジェクトマネージャやアーキテクトの育成が事業課題であるならば、ペアプログラミングで行われている「高度な目標設定と高いサポート」をプロジェクトマネージャやアーキテクトを育成する場で実現しなければならない。


複数世代の同時育成による貢献
ペアプログラミングをパターンとする「高度な目標と高度なサポート」は、1カ年で複数の世代に対して行われなければならない。即戦力手前の世代、その次の次世代、さらに若手の次々世代である。


即戦力手前は最後の仕上げである。十分独り立ちするスキルを持っているがプロジェクトの規模や複雑度に応じてなんらかサポートが必要なレベルである。


次世代は、次々世代での選抜をパスしてきた候補者が経験を積むゾーンである。ここでもまたプロジェクトマネージャやアーキテクトの資質を見極め、最終的にプロ弱とマネージャやアーキテクトとしてのアサインを続けるのかを判断していく。さらに、アサインするとしても対応できる力量、キャパシティのサイズも見定めることで事業課題の対応がどのビジネス規模に対応できるかを紐付けていく。


次々世代は、自薦または候補者としての選定の対象者が混在している状況である。ここでプロジェクトマネージャやアーキテクトとして必要な資質を持っているか、それともそれ以外の道へ早期に振り分けるかの一時選抜の機会となる。このタイミングでは、大括りの選抜でよく、それは、いわゆる大器晩成型の対象者を誤って振り落としてしまうことを防止する観点からである。


ただ、明らかに不適格なものについては職種をピボットさせることが望ましいことには変わらないのでその観点でいえば、明確なミスマッチに対しては判断した方が良い。とはいえ、一方的なリジェクトはそれ以降の仕事において不適切であるから、小規模のプロジェクトで複数回の機会を作り実績をベースに適合しているか不適合であるかを相互に合意するぷろせすをふむことが望ましい。


このように同時に3世代の育成を行うのは、上記のそれぞれの世代での育成目標が違うためである。


結論
プロジェクトマネージャやアーキテクトの育成については、「高度な目標と高度なサポート」のパターンを適用する必要がある。また、育成にあたっては、同時期に複数世代の育成を並行して行うことが必要となる。