%の進捗報告は何かを隠している

プロジェクトの進捗報告で%を使っているプロマネを見るとき、

「このプロジェクトマネージャは何が問題を抱えているのかもしれない」

 と思うのです。ではどのような問題を抱えていると思っているかというと、

  • 進捗を%で把握しても意味がないことを知らない
  • %で報告することで進捗を誤魔化したい

の2つ。

進捗は%で把握しても意味がない

進捗は %で把握しても意味がありません。例えば、2つのWBSがあって、1つが期限3日前に完了していて、2つ目が3日遅れているとトータルではプラスマイナス0でオンスケになってしまうんです。正しい進捗は、3日遅れですよね。

WBS
|計画|□□|

|実績|■★|

WBS
|計画|□□|

|実績||

 進捗管理で進捗を正しく把握するには

「完了の個数/完了予定の個数」

で把握しないと意味がありません。

そこでどうしようかと悩みやすいことは「完了」の扱いです。自信のないプロマネは報告時に完了していないと困ると思って完了までの中間値を考えようとします。ここまでできていたら進捗50%とか、このくらいまで進んだと言っているのだから進捗80%だから、と。

でも、これに悩んで意味はありませんし、「このくらい進んだから」とやっている時点でダメ進捗管理の典型的な見本です。

作業の詳細な進捗のモニタリングが必要なのであれば、作業プロセスに対して%の重み付けをしなければ意味がありません。

例えば、

未着手       0%
詳細設計書執筆  20%
内部レビュー   50%
外部レビュー   80%
指摘反映・提出 100%

 上記の例を見て、アレと思ったら良い感覚を持っています。そうです、作業をバラして1つのWBSのステップごとに重み付けをしても、今度は、ステップごとの進捗を詳細に把握しなければならなくなります。

これがマネジメントへの報告のスパンであればこれを対応するコストを積んでおかなければなりません。それをやりますか、ってことです。そこまでのコストも積めないし、シビアな進捗管理のニーズがなければWBS単位での進捗管理は、未着手0/完了100で十分です。

%で報告することで進捗を誤魔化したい

 進捗を誤魔化したいプロジェクトマネージャも中にはいます。例えば、

  • ある特定のWBSの進捗が芳しくなくて、対策中で先が見えている
  • 進捗は把握できているので報告はいい感じに楽をしておきたい

 こんな感じ。こういうことを判断できるプロマネはベテランでできるプロジェクトマネージャが多いです。やらなくちゃいけないのはわかっているけれど、そこまで仔細に報告するのは面倒だから、言われるまでは手を抜いておこう、という感じ。

もう1つのパターンがあって、こっちはダメPMの場合。

  • ある特定のWBSの進捗が芳しくなくて追求されたくない
  • 進捗は把握できていないので報告で指摘されたくない

やらないといけないことをやっておらず、個数で報告すると進捗遅れを指摘され、対策を聞かれると困るから誤魔化そうというパターン。

 

こんなPMのプロジェクトは見る方もアレですが、メンバで入るのもゴメンという感じです。

 

プロジェクトの特性で進捗の粒度を決める

 プロジェクトマネージャは進捗管理に対しては、0/100でやれば十分です。100をWBSのどの作業の粒度にするかはマネジメントのモニタリングのニーズに合わせれば十分ですが、マネジメントのニーズよりプロジェクトの特性で考えればプロジェクトの進捗管理の粒度は小さくなるはずです。小さな粒度で管理されているから大括りの報告ができるのであって、その逆はできませんから。