システムエンジニアが老害なSEにならないための生き方


システムエンジニアとして、自分なりの基礎技術を身につけ、現場で実践して、認められる。これは所謂、成功体験そのものですね。


認められることで仕事の貢献の仕方を知り、自分なりのプロセスを固めて行き、自分が基準とするアウトプットのラインを決めていくんです。


どうでしょう。そうやって仕事を覚えてきたのではありませんか。


システムエンジニアの仕事の覚え方の教本はありませんから職人の仕事の覚え方と同じようなパターンに収斂していくのは必然です。


その仕事の仕方、覚え方はそれはそれで良いと思うのです。ワタシだってそうだし。


ただ、今の自分の思考は、過去の成功体験なり失敗した辛くて回避したいトラウマを拠り所としていることを知っておく必要があります。


それは無意識に自分の思考そのものを抑制してしまうし、無意識に選択・行動してしまうからです。


30歳を超えたあたりからは注意が必要です。20代ではまだまだ 学ぶこと>経験数 が成り立っているので情報を集め、学ぶ習慣が残っていますが、30代を超えると 学ぶこと>経験数 の関係は変わらないのに情報を集め、学ばなくても仕事ができてしまうので、もう学習をすることは不要だと勘違いしてしまうからです。


自分がシステムエンジニアとして知っていることは限られていて、知らないことの方が永遠に多いということに対し意識が失われなけれなそうしたことはそうそう起きないのですが仕事ができるような気になってしまうと途端に忘れてしまうし、それに影響され学習することを忘れてしまう。


そうして更新されることがなくなった情報だけで仕事し続けることになります。


それって日々変わっていく仕事の要求に旧式の装備で挑むことを意味しています。それはその装備で対応できているうちはその仕事を片付けるという意味では良いのでしょうが、その装備で対応できない仕事が来たときには手遅れになるということを意味しています。


そのときを迎えるとき、若いSEや成功体験を更新し続けている同僚や先輩から見たら、ただの「老害システムエンジニア」でしかありません。


情報も経験も更新している間はそれなりのロールに位置付けられていたから今もそのロールにいるとして、そうしたロールにいるシステムエンジニアが過去の成功体験だけで思考し、選択・行動をしていたらやっぱり老害だけでしかないのです。


自分の成功体験も失敗してトラウマになるような経験も更新していく限り、それは新しい特性を持った仕事に対応する可能性を秘めていることになります。


よく変化しなければと言われますが、変化するのは仕事の要求などの外的要件です。それを受け止められるだけのストック・引き出しをいつ使われるかわからないけれど更新し続けることが変化に「対応できる」システムエンジニアであり老害にならない1つの生き方だと思うのです。