PMBOK6thでアジャイルを導入しようという顧客と青ざめるSIer
PMBOKの第6版が出てました。PMIの会員ならPDF版がダウンロードできます。
第5版が紫色の表紙でしたから、まるで白書っぽい。もしかしたら中表紙なのかもしれない。
ちなみにPDF版で776ページあります。第5版が同じPDFで633ページでしたから、140ページも増量です。お得ですね!
これまでの4年ペースでの改版が第6版では5年に伸びたのは、ISOのPMに体系を合わせるのとISOの後に出すため、と聞いたことがあるのでそういった大人の事情な線が濃厚です。あまり読み手には関係ないかもしれませんが。
この改訂に合わせてITProからもPMBOKの改訂の記事が出ていました。
ざっくりと把握するのにはこの表をみると良いので引用します。
引用 各知識エリアの主な変更点
今改訂の目玉は、アジャイル対応です。他にはテーラリング(よくエントリで書いているやつです)とビジネスビューの取り込みを入れて3点。でも大きいのはアジャイルです。
アジャイルへの布石
ほとんどの方は知らないし興味もなかったと思いますが、PMIではアジャイルに数年前から取り組んでいました。2015年前後くらいかな。試行した後に認定をローンチしてましたので。
いや、PMIが認定しなくてもagile allianceが認定しているからいらないじゃんとは思いましたが。
アジャイル対応での影響
いずれにせよ、PMBOKでアジャイルがサポートされたので、顧客がアジャイルと言い始めますよ。
多くのエンジニアもプロジェクトマネージャもSIer自身も全く持ってアジャイルを実践している組織はまだまだでしょうし、エンジニアによってはアジャイルのアの字も聞いたことがないと思います。だって今現在必要としていないんですから。
そこに顧客のIT部門の部門長あたりが見つけて担当に「うちもやるぞ」的に振って、SIerが慌てる構図が出来上がるわけです。
それアジャイルでやる必要ないほど計画的に、労働集約的に開発したほうがいい程度に要件がフィックスしているじゃん、的なプロジェクトも役員がアジャイルやります的に役員会で満面の笑みを浮かべて宣言して現場が青ざめた…、という現場が出てきそうです。
まあ、慌てずアジャイルの本くらい読んでおきましょうか。
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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アジャイルでやってみた。ウォーターフォールしか知らなかった僕らSIerのスクラム日記
- 作者: 竹林崇,亀川和史,清水頼行,串田悠彰,石神政典,中村薫
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2016/09/17
- メディア: 単行本
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