リーチしたい読み手と実際にプロセスデザインを読む読み手のズレ
プロジェクト内でチームが業務を行う上で、作業プロセスのデザインをすることの重要性は(重要だとは明示的に書いていないけど繰り返し書いているのでわかっているよね的な感じですが)繰り返し書き綴ってきたことです。
なぜ必要なのか。
それを成し遂げたい人である顧客の代理業としてのプロジェクトマネージャがそれを実現するエンジニアに対して実現する方法を共有し実現するためです。
ところがこうした考え方は、数多のプロジェクトを立ち上げ、計画どおりか計画以外の結果になるかどうかに関わらず必要なはずなのに、プロジェクトマネージャに対する実務教育はされず、プロジェクトマネージャに120%丸投げされ、職人芸で賄われているのが実情です。
そんなところに気になる本が出てきました。まだでたてのほやほやです。
プロセスデザインアプローチ 誰も教えてくれない「プロジェクトマネジメント」
- 作者: 芝本秀徳
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2017/11/04
- メディア: 単行本
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パラパラとめくって、掻い摘んで眺めたレベルですが。
多分、これを読むのはシニアの管理部門
この本を読んで欲しいエンジニア層と実際に読む層はミスマッチをするだろう、と感じました。
何からと問われても、全体感でと答えるしかないのですが。取り上げていうなら、構成と章立てのアプローチでしょうか。
例えばプロセスデザインアプローチ自体は響くのに、 本のページを捲っても面白みがないというかトキめかないんですね。
いやいや、プロジェクトマネジメントでトキめくのかと問われれば、新しい知識、知らないことがあれば、前のめりになってページを捲りたくなります。
好奇心を覚えるからですね。
この本にはそれがない。
知識が被った、既知の形式知であったとしても切り口に独特性があったらまた違う興味が湧くものです。
こうしたことを思い浮かべるとこれまでの形式知をプロセスデザインに編集した本なのだろうなぁと想像するのです。
所属する組織以外の現場のリーダやプロジェクトマネージャやスクラムマスターのような方々からお話を伺っていると、彼や彼女が必要としているのはこの本のアプローチではないんですよ。
つまりセグメントが違う。確かに、シニア層のマネジメントやベテランプロジェクトマネージャやPMOなら喜んで読むだろうなぁと思います。
でもそうした人たちにこの本を読んだあと、どうするかを考えると中堅層に「読め」というだけで終わってしまうのではないかと。
まぁ、うちの組織の中でのことではないのでそれでもいいですが、作者の気持ちはそうじゃないんだろうなぁ、と。
もう、2つくらい低い年齢層にリーチしたいのだろうな、と。
でも、多分、リーチしないでしょう。素人の考えですが。