プログラムマネジメントとプロダクトマネジメントは双子の兄弟か
とある夜の会合で某氏が
「プロダクトマネジメントはプログラムマネジメントではないか」
と言い置いて席を離れた後、そうかねぇとツラツラとそれが成り立つかを頭の中で考えようとしたけれどなんだかよくわからない。
わからないときにはわからない頭の中でこねくり回しても時間の無駄なので言葉の意味合い、定義から調べなおすのが兎に角一歩進めるのでそうする。
「製品、製品ライン、あるいは製品ポートフォリオのレベルでのビジネスマネジメント」
引用
うーん、わかったような、わかっていたような。つまりだ、モノコトのビジネス・ライフサイクルをマネジメントする、という意味であると理解することにした。
標準書全体の文脈を含めて読み取ると、米国ではプログラム=「巨大なプロジェクト」というとらえ方が強いが、日欧では「事業を創出する諸活動」との文脈でとらえる傾向がある
なるほど。局によって意味合いが少し違うけれど、日欧では事業=ビジネスの諸活動の意味合いで使われると。
いいとこ取りしている感じの日本の定義を見ると、欧米の両方を包含した定義になっているのでますます曖昧になる。
日本PM協会: 新版P2M標準ガイドブック (2007)
使命(ミッション)を実現するために、複数のプロジェクトが有機的に結合された事業。 - 「大規模システム型プログラム」と「戦略型プログラム」(創出・変革型)とに分類される(定常業務はサービスプロジェクトとして位置づけられている)。引用 同上
特に、有機的に結合された事業とは、ビジネスオーナが担当事業の範囲でマネジメントしていればリソースやビジネスの判断は配下のビジネスの事情を考慮してジャッジするのでとても有機的である。
プロダクトマネジメントはモノコトのライフサイクルマネジメントだとするとプログラムマネジメントの事業を創出する諸活動が当てはまらなくもない、というか当てはまると言い切っても間違いではなさそうだ。
ところで、これまでプロダクトマネジメントに関わるまでは、プログラムマネジメントとは、プロジェクトマネジメントを束ねたマネジメントスタイルがプログラムマネジメントだと思っていた口である。
古いPMBOKをベースの知識として、あとは実施に経験して補完した限り、それで間違いはないと思うし、実は今でもそうだと思いっている。
なぜかというと、ビジネスにおいてサービスの創出や世代更新からマーケティングやセリングに携わっているとモノコトのライフサイクルマネジメントを複数並行して見ていたからだ。
そのときはプロダクトマネジメントという呼び方はしていなかったけれど、実務的にそれをやっていたのである。経験はとても強い知識の関連性を産むものなので、今のプロダクトマネジメントについては経験の目線から入るから、ああ知っているよ、という反応になるのだ。
多分、プログラムマネジメントとプロダクトマネジメントは違うもので差分があると思う方のプログラムマネジメントが対象とするライフサイクルの範囲が違うのだ。それは、プロジェクトの実行段階である設計からテスト完了までか、その両サイドにある企画からモノコトのサンセットまでを視野にいれているかの差で、これ自体が正解や間違いという判断するものではなく、経験の差があるだけの話だ。
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