プロダクトを作る組織にプロジェクトマネジメントは存在しないのか

知り合いと話をしていて、とてもざっくりと括ってしまうのだがプロダクトを作っている組織ではプロジェクトマネジメントのスキルがないと聞いた。

 

ちょっとそれを聞いたときに頭の上ではてなマークがいくつも生えてきたのだが、本当なのだろうか。

 

とあるオンラインでの勉強会で質問を受けたときに、スクラムマスターをしている方から、プロジェクトマネジメントも勉強したいと言われていたのを思い出して、どちらが本当なのか、それとも両方とも(後者は直接聞いたことだから前者を含めての意味で)本当のなのだろうか。

 

仮に、プロダクトを作っている組織でプロジェクトマネジメントの知見は必要なのか、それともプロダクトを作るような事業ではプロジェクトマネジメントのバックグラウンドは不要なのか。

 

プロジェクトマネジメントは、スコープを扱う。その点でバックログを都度見直して、実現する機能の順番を入れ替え、早いループでリリースするようなアプローチとの相性は合わなそうである。

 

本来、プロジェクトマネジメントは製造現場と経営を共通の情報を使って、プロジェクトの見通しとリスクを共有するものだ。

 

それがプロダクトを開発するときのKPIに役割が移っているのだとしたら、そもそもプロジェクトマネジメントに出番はなさそうである。

 

では、冒頭のプロジェクトマネジメントの知見を得たい人たちは何を得たいと思っているのだろうか。それともインタフェースがKPIになっただけで、KPIでは将来を見通す神通力がないのだろうか。

 

将来を見通す神通力とは、諸々のアクティビティの中から見つけ出すリスクの識別とコントロールにより制御する行いである。

 

それをしない代替策こそが短いサイクル、小さなチケット、速いフィードバックループなのではないのだろうか。

 

進捗は、デイリースタンドアップミーティングで押さえるし、品質はペアプロやTDDで確保するし、HRのリスクは心理的安全性やチームを壊さないなどで担保しているのだし、ステークホルダーマネジメントは開発チームに関係者を最初から巻き込むことでリスクコントロールをする。

 

だから、プロジェクトマネジメントの知見はいらない、のではなく、散らばしたのだと言うのであれば、それはそれでそう言うアプローチも理解できる(がそれが良いとは言わない)。

 

さて、プロジェクトマネジメントは不要になったのだろうか。それとも必要な知見のサブセットとしてバラされて、都合よく使われているのだろうか。