品質管理ってなんだ

「品質管理ってなんなんでしょうね…」
「どうしたの、元気ないねいつも以上に」
「あのですね、テストするじゃないですか」
「するね」
「バグが出るじゃないですか」
「出る人は出すね。すごいエンジニアには難しい仕様が割り当てられるからどんなにすごいエンジニアでも出すね」
「そんな大した仕様じゃないんですよ…。それで…バグ直さないといけないですよね、ね」
「バグだからね」
「仕様が悪かったんですから、仕様書いた人が直せばいいといかいう人がいて。信じられないでしょう」
「新しい…かな」
「最近多いって聞きましたけど…そうじゃなくて」
「そのエンジニアって呼んでいいのかな。その人何しに来てるの」
「えっそんなの私に聞かれても」
「いやいや、あなたのチームでしょ」
「私もメンバです…」
「でもアーキテクトなんでしょ」
「そうらしい…ですけど。それはいいんですけど、バグのレベルも酷くて」
「なんか想像つくね」
「書いてあることしかコードにならないし、調べ物も自分でしないんですよ。情報くれくればっかりで」
「仕様を書かないでなんでエンジニアと呼ぶのかが謎だな。だったらオフショアでいいじゃん」
「そうなんですがそれはほら上が海外は懲りたって」
「どうせ丸投げして失敗したんだろ…」
「ノーコメントにしておきます」
「金銭感覚ないんだな」
「かもしれませんね」
「それで品質がどうしたんだっけ」
「仕様を見てコードを書くじゃないですか」
「書くね」
「テストを書くじゃないですか」
「書くね。逆の順番の方がいいと思うけど」
「そうするとまた、今度はそんなやり方は知らないし、やりたくないっていうんですよ」
「帰ってもらえば」
「できるならそうしたいですってば」
「なぜキミが中間管理職的なポジションにいるんだい」
「わかりません。いつの間にか…いつも遅いし仕事多いし…」
「もう、定時で帰りなよ。責任は果たしてるでしょ。上に責任とらせればいいよ」
「結局上同士で丸め込まれて…あーやだ、もう」
「それでどうしたんだっけ」
「品質管理できないエンジニアが多すぎなんですよ。もー。品質管理どう考えているのって聞きたいです」
「仕方がないから、1つだけな。どうせ愚痴りたいだけで話を聞いて欲しいんだろうし。そのチームに社員はいるんでしょ。そう、いるんだ。じゃあさ、その子を育てよう。その子がキミの次のアーキテクトにしよう。そうだな、3ヶ月だけやってみれば」
「それはそれで…」
「その子の所属は。そう、だったら問題ないじゃん。どこかでその所属のエンジニアが受け取らないといけないんだし」
「そうなんですけど」
「でもキミが我慢することはないよ。責任を感じなければならないのは上だし。プロとして役割を果たせばいい。今日きた品質もそう。品質の方針だって本来はPMだろう。なんでキミが案を出しているんだか。キミの上司なら代わりに行って小1時間問い詰めるところだよ。しないけどさ」
「時々本当にしそうになるから怖い…」
「あはは、気のせいだって。したことないし。まあ方針くらい出してあげるのはいいと思うけどね。そのPMがやるより良さそうだし。アドバイスは求められていないと思うけどさ、次の春までに抜けられる環境は作っておこうよ。そこまで頑張れたらまたプロジェクトの環境も変わっているよ。品質も」
「そうですね、育てるのは楽しいですけど。やってみようかなー」

 

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